日本家屋と原風景に映える紅葉が美しい物語でした。
危機の寸前で、呉葉に救われた真音。
それでも体にダメージを負い、動けるまでの間のほんの少し重ねた交流で見えてくる、懐かしい日本の風景に似て非なる世界に住む呉葉が背負う役割。
はっきりした真音ちゃんの、管理栄養士への夢。
おぼろげな呉葉の役割と、その世界。
それらを繋ぐのは、生きる時間も世界を超える、友情に似た信頼。
相手が誰であろうと、理解を傾ける思いはとても素晴らしい世界を構築するのだと教えて下さいました。
一見、古風な呉葉は現代とを往来し、コンビニやロールケーキ、
菜園にはズッキーニ。
このギャップが可愛いと感じました。
この二人の今後や、呉葉の物語が気になって仕方がありません。
素敵な物語を、ありがとうございました。
異世界モノをほとんど読んだことのない私ですが、一気に読めてしまいました。
事故に遭ったところを助けてもらった主人公・真音が目覚めたのはちょっぴり不思議な世界。そこでまたまた不思議な女性・呉葉に出会い、短い共同生活を送ります。
超能力を持ちながら天然なところのある呉葉と呉葉に魅了されていく真音の様子が微笑ましく、また二人がおしゃべりや料理を通して距離を縮めていく様子が胸にジンと来ました。
また、青紅葉が非常に効果的に使われていて素晴らしいです。その描写がものすごく美しくて、私が個人的に青紅葉が好きということもあり、読むたびに自分も青紅葉に包まれているような気分になりました。
ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、また二人が出会うことを願ってやみません。
良い意味で淡々と、テンポよく進む語り口がとても心地よかったです!
癒しや安らぎを求める現代人にとっては、ほっと息をつくこたができる素敵な異世界だったと思います!
「日帰りファンタジー」の定義にあてはまらないかも……とありましたが、個人的には全く問題ないと思います!
だからこそ、本編で「異世界」と言及されていたことが、少しだけ気になりました。(気持ちは大変よく分かりますが!)
「日帰りファンタジー」は異世界が身近に存在している、本当にあるかもしれない、いや、きっと本当にある……そうしたものだと思うので、本作の距離感は絶妙だったと思います!
異世界の幅広さを再認識するような物語です。
トラックにはねられて異世界へ~という導入部ながら、ガラリと趣向が変わります。
訪れたのは紅葉の葉が印象的な日本家屋。そこで出会ったのは『呉葉』という謎の女性。ちなみに主人公も女性で、和やかに二人の心が通じ合っていきます。
僅かな時間の間に二人の間に生まれたものは……
という何とも穏やかで、でもちょっとスパイスの効いた雰囲気があって、物語はゆっくりと変転していきます。
情景も美しい語り口、可愛げのあるキャラクター、そしてなにより不思議なストーリー!いろんな魅力に満ちた物語です。
ぜひ読んでみてください!
この物語の世界観が、日本の和の部分をとても巧みに引き出された作品でただただ驚いていました。
私が本作と出会った瞬間の現実にて感じていた空気が、秋を感じていたのですが、丁度その自然とマッチした作風で。
一話一話、丁寧に織りなされていく、文章には脱帽でした。伏線も、自然に溶け込んでいて、真実が分かった時、世界が一層彩るような感覚に浸れます。
見どころをば!
話の中で出てくる料理がとてもおいしそうで、香りまで伝わってき
そうなほど。「さきがけ」は、私もたまに間違って言ってしまうので、そういったとこがほっこりします。
心理描写がまた綺麗で半端ないです。とても、切なくなります。
これほどにも品のある作品とは滅多に出会えないかもしれないと、勝手に思っております。
ぜひ、ご一読を!