それは静かにそよいでいく風のように、雲のように、紅葉のように――。

 この物語の世界観が、日本の和の部分をとても巧みに引き出された作品でただただ驚いていました。
 私が本作と出会った瞬間の現実にて感じていた空気が、秋を感じていたのですが、丁度その自然とマッチした作風で。
 一話一話、丁寧に織りなされていく、文章には脱帽でした。伏線も、自然に溶け込んでいて、真実が分かった時、世界が一層彩るような感覚に浸れます。

 見どころをば!
 話の中で出てくる料理がとてもおいしそうで、香りまで伝わってき
そうなほど。「さきがけ」は、私もたまに間違って言ってしまうので、そういったとこがほっこりします。
 心理描写がまた綺麗で半端ないです。とても、切なくなります。

 これほどにも品のある作品とは滅多に出会えないかもしれないと、勝手に思っております。
 ぜひ、ご一読を!

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