第一部までを読んで。
紋章を背に刻んで人が生まれる世界。
無紋(ノンクレスト)と呼ばれる人がいる。ほとんどの人は無紋と変わらないにもかかわらずそれで差別がされる世界。命の危機にまで関わることさえある。
主人公(ヒューゴ)の原動力は無紋であるが故に受けてきた差別。また無紋であっても受け入れてくれた優しい人々に対する想い。家族愛にも近いものだと思います。
そして強大な力を持つ国家が力のない個人を痛めつける。それに対する反骨精神が意固地なまでに貫かれているとも感じました。
権力に迎合しないだけの鍛錬を積んできているのもありますが、心の持ち方に芯があるのを感じます。
読んでいて、頼もしくもあり、少しフクザツに感じる部分もあり、ただ心を許した身内からの責め苦には弱かったりして思わず笑ったり。そうした所がヒューゴの魅力に繋がっているのだと思います。
世界観はしっかりとした作り。
戦いを中心とした重圧な雰囲気を感じます。恐らく主人公が真面目なところもそう感じさせるのだと思いました。
第一章と、少し先まで読み終わりました!
主人公は人と違った体質で生まれてきます。
本来あるはずの物がない。無紋。それがノン・クレスト。
それによって泣いた者もいる――。
だけれど、温かい人は彼にあたたかくて、その場面が無性にほっこりしました。
“本当に強い”からこそ、誰にでも同じように接することができるのかもしれませんが……。
ノンクレストであるからなのか、ヒューゴはとても優しい男です。
その優しい性格をしたヒューゴやライカッツ、アイナとのやりとりがたまりません。
まだ第1章と少ししか読めておりませんが、それでも、第1章を読み終わっただけでも、作者様の作品に込めた想いが伝わってきます!
そして、これは第一章ではありませんが、予告編といいますか。
この先、彼の国の平和を取り戻すための戦闘がはじまります。作者様の文才に脱帽致します!
戦闘ものはいろんな方向からの入り組んだ情報があるからこそ面白い!です!
人が、その能力を表す紋章を背中にもって産まれてくる世界。ごくまれに紋章を持たずに産まれてくる人々がいた。能力のない彼等は、「無紋(ノン・クレスト)」として忌み嫌われる。
無紋で産まれたために、実の両親からも捨てられてしまったヒューゴは、荒んだ幼年時代を過ごした。ルビア王国の宰相ディオシス・ロマークの政策により、他の無紋者とともに農場に集められ、仕事を与えられたヒューゴは、そこでひっそりと生きていける……はずだった。
ルビア国に保護されていながら、ルビア王国の兵士に襲われたヒューゴは、農場と仲間を喪い、大怪我を負って逃げていたところを救けられた。彼を助けたベネト村の人々は、無紋の民を厭わず、彼をありのまま受け入れてくれた。
ベネト村の人々を護るため、ルビア王国を倒すため。ヒューゴは大鷲の背に乗り、戦いに赴く――。
全三部構成の第一部は、ヒューゴと彼の仲間たちの成長物語です。差別され、虐げられた人々が、理想の世界の為にたたかう戦記物語。第二部も期待しています。