優しい人のために力を尽くす

第一部までを読んで。

紋章を背に刻んで人が生まれる世界。
無紋(ノンクレスト)と呼ばれる人がいる。ほとんどの人は無紋と変わらないにもかかわらずそれで差別がされる世界。命の危機にまで関わることさえある。

主人公(ヒューゴ)の原動力は無紋であるが故に受けてきた差別。また無紋であっても受け入れてくれた優しい人々に対する想い。家族愛にも近いものだと思います。
そして強大な力を持つ国家が力のない個人を痛めつける。それに対する反骨精神が意固地なまでに貫かれているとも感じました。
権力に迎合しないだけの鍛錬を積んできているのもありますが、心の持ち方に芯があるのを感じます。
読んでいて、頼もしくもあり、少しフクザツに感じる部分もあり、ただ心を許した身内からの責め苦には弱かったりして思わず笑ったり。そうした所がヒューゴの魅力に繋がっているのだと思います。

世界観はしっかりとした作り。
戦いを中心とした重圧な雰囲気を感じます。恐らく主人公が真面目なところもそう感じさせるのだと思いました。

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