異世界からやってきたコンサルタント、オーカ。魔王を含めバータリ帝国の魔族はケーカク王国に勝つべく、オーカからマネジメントに関する知識を教わることになる。
マネジメント?なにそれ?
だった私は読み始めてから「これ、仕事に使えるじゃん」「ど素人でもわかるように書いてある!」とかなり感動した。
「組織は知識、知らなければ死ぬの」
作中のオーカの名台詞でもあるが、本当にその通りである。個人的にはタスクマネジメントの章をぜひ読んで欲しい。もしかしたら「自分のしてる仕事って……」ってなる人もいるはず、多分。
ファンタジーを舞台にしているが、そこに出てくるマネジメントに関する知識は現実世界においても非常に役に立つ。ファンタジーとビジネスを題材にしつつもコメディタッチのおかげもあって読みやすい。各話の最後にはポイントもまとめられている。ぜひ社会人に読んで欲しい作品である。
魔王が治め屈強なモンスターたちを擁するバータリ帝国。それなのに人間たちが暮らすケーカク王国に攻め込んでは負けてばかり。個々の能力では勝っているはずなのになぜ……?
戦略担当に任命されたガーゴイルのリバイズは、そんな事態を改善すべく異世界からコンサルタント・遠峰桜佳を召喚するのだった。「組織は知識、知らなければ死ぬのよ」が口癖の彼女は、その知識をフル動員して帝国軍が抱えていた組織としての欠陥の数々を次々に炙りだしていく……!
ファンタジー世界を舞台にしながら、「現場では優秀な人が上司になるとポンコツになるのはなぜなのか」「なぜこんな無駄な会議をしなければいけないのか」「情報共有が滞るとどうなるのか」とお仕事でよく見かける悩みを桜佳が鮮やかに一刀両断してくれる本作品。
基本コメディタッチで問題とその解決を扱っているので読みやすく、毎回各話の終りには【今回のポイント】がまとめられているので内容が非常にわかりやすい。
組織レベルの見直しだけでなく、個人レベルでの仕事の取り組みに言及している部分も多いので、管理職以外の人が読んでも参考になるのが嬉しい。
この春から働き始めたばかりの新社会人の人から、既に部下がいる管理職の方まで全ての働く人たちにおススメの一作です。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=柿崎 憲)
とある異世界の王国が人間界からコンサルタント、オーカを召喚して組織を建て直すお話。
オーカのアドバイスがとても本格的でためになります。
1ページで平均3回くらい笑いました。
ファンタジー、ビジネス、コメディ……。そんなメチャクチャに詰め込んで大丈夫なの? と思われるかもしれませんが、大丈夫なんです。
いや、大丈夫どころか、まったく新しいジャンルができてしまっています。
これは流行るのでは……。
1話ごとにポイントがしっかり整理されてまとまっています。具体例も面白くてわかりやすい。全体を通して1つの大きなストーリーになってるところもすごい。特に社会人の方は必見です。
……いいですか。私は今、異世界ファンタジーのレビューを書いています。
そしてなんと言ってもコメディ要素。
テンポの良い会話。鋭いツッコミ。
読んでいて飽きがきません。
全方向にクオリティの高い、笑って学べるコメディビジネスファンタジー。読まなきゃ損ですよ!
『マネジメントって何ぞや?』『難しそうだから知らなくてもいいさ』『学んだことないけど何とかなるから大丈夫★』…………この作品を読むまでは、私もそう思っていました。
場当たり的に思いつきと思い込みで物事を推し進め、あちこちで無駄を出しては時間と手間を浪費するバータリ帝国の魔王様。
しかし、このままではいけないと判断した部下・リバイズの提案で現代からコンサルタント・桜佳が召喚され、『マネジメント』を叩き込まれることで、魔王様と共にバータリ帝国は大きく変化します。
何がすごいって、楽しく笑いながら読んでいたら、いつの間にか知識が身につくこと!
冒頭のような、まさに場当たり魔王と同じ適当極まりない考え方をしてきた私ですが、物語に引き込まれていく内にマネジメントの大切さ、そして奥深さと面白さを知ることができました。
仕事に限ったことではなく、様々な場面でマネジメントの知識は役立ちます。
私のように勉強が苦手な方は、まずこちらの作品からざっくりと学んでみてはいかがでしょう?
『よし、勉強するぞ!』なんて気合は必要ありません。
楽しい異世界物が読みたい、明るいコメディで笑いたい、それだけでOK!
読み終えたらあら不思議、腹筋の痛みと引き換えにマネジメントの知識が身についているはずですよ!!
人間勢にどうしても勝てない、魔族の国、バータリ王国。
その名のとおり、トップの魔王は戦士としては優秀だけどトップとしてはいまいち抜けているところの多いタイプ。魔族たちも、基本のほほんとした気の良い奴らばかり。そのため、バータリ王国の戦略はいつも行き当たりばったりで、ケーカク王国の人間達に勝てません。
そんな戦略弱小国家に、召喚されてきたのがマネジメント知識を備えた人間、オーカ。
『組織は知識。知らないと死ぬの』の名言を振りかざしながら、ばっさばっしゃとバータリ王国をそのマネジメント知識で改革していきます。
そして気がついたら、バータリ王国の魔族たちだけでなく、読んでいる貴方も一通りのマネジメントの基礎が身につくはず。
そろそろ部下を持つようになってきた中堅どころの貴方!
社会人になったばかりの、そこのお兄さんお姉さんも!
これを読めば、ライバルに差がつけられること請け合いですよ!
人間相手に連敗中のバータリ帝国のガーゴイルの頼みで、憎めないダメっ子魔王さまが召喚されたコンサルタントのオーカさん。
この三人(?)――特に、魔王さまとオーカさん、とても素敵なコンビです。
「組織は知識、知らなければ死ぬの」と、いかにもビシっと決まったセリフに、いちいちしょげてたりした魔王さまが可愛くてしかたありませんでした。
帝国の名にもなっているバータリ=場当たり。まさに無計画でざっくりな戦略とも呼べない戦略しかなかった彼らの姿が、いわゆるブラックな職場と重なってしまった方も少なくないと想います。
しかし、やっぱりダメっ子だけど憎めない魔王さま。
憎めないし、やっぱりこの方しか魔王さまはいないと思えるのは、やはり素直にオーカから計画することの大事さを学んでいるからかもしれません。いわゆるブラックな職場の上司は、こんな風に学んだりでき(以下自粛)
これからも、頑張れ、魔王さま!!
異世界コメディの体裁をとっているけれど、その中味はしっかりとした組織マネジメントのハウツー本という、一粒で二度美味しい本作品。
特に、30代〜40代の働き盛りのビジネスマンにとっては、これはある!と思わず同意してしまうようなネタが満載です。
思いつきですぐ人を振り回す迷惑上司や、なぜこの仕事をしているのかを理解できない部下。
そんな不完全な魔王軍を救うべく召喚されたのは、現代の美人コンサルタント!
一時期話題になった「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら」を、さらにライトノベル寄りのコメディに仕立てたような作品で、通勤の合間にちょこちょこと読み進められる文章量も良く、1話ごとによくわかる解説があって単なるコメディに終始しないのも、入門系書籍らしくてよくできています。
上司に恵まれなかったら、スタッフさー……ではなく、こう言ってやりましょう。
「組織は知識。知らなければ死ぬの!」