突如ミスコン出場者が全員不参加となり、ミスコン企画同好会――略して『ミスド』の面々が、開始までに残された18時間で新たなミスコンを一から創り直す……という、とんでもなく切迫した状況からストーリーが展開されていきます。
が、とにかく個性的!
何がって、選んだミスコン候補者の面子から彼女達の了承を得るための策から、ミスドのメンバー全員に至るまで、言動行動手法方法、何から何までもが笑えてしまう!!
ここでタイトルの意味を知ることになりましたが……いやはや、カツラと階段とコーラはまさに三種の神器でした!
主人公・まとすけのツッコミに笑い、ヒロイン・羽織のどうしてそこいった的なとんでもボケに笑い、後輩・恭介の人としてねじれの位置にありそうな性癖に笑い、先輩・実優の意外な一面に笑い……しかし笑うだけで終わらないのが今作の素晴らしい点。
すれ違いがあったり、ケンカしたり、うまく思いを伝えられなかったりと、ままならないことも乗り越え、絆を深めていく彼らの姿に、胸が熱くなりました。
やり直せるなら、彼らと一緒に青春したい!
こんな文化祭を、自分も共に創りあげてみたい!
笑って泣いて、ケンカして仲直りしてまた笑って、最高のアオハルを味わいたい!
叶わぬ夢ではありますが、この作品でそんな夢のようなひとときを体感することができました。
カツラ、階段、コーラ。
この三つで作ったミスコンとは果たしてどのようなものなのか、皆様も是非確かめてみてください。
間違いなく、青春したくなります!!
へいへーい明日は文化祭でミスコンが開かれるんだって。
楽しみだと意気込むミスコン同好会の集まりに、重大な一言がもたらされた。
「出場者が全員、ミスコンに出られなくなりました」
ミスコン開始まで。
あと18時間。
ミスコンを創り直すため、彼らは四人で奮闘する。広告もいるしドレスも必要。協賛企業に連絡もしなきゃ。
いや待て一番重要なことがあった。そもそも
参加者を見つけなきゃ!
ツッコミのまとすけは、残念系天然美人、羽織と駆ける。掛け合う。コーラ飲む。走れ走れ走るんだ。
青春とは何か? それは演技に全力を尽くすことかもしれない。
青春とは何か? それは階段から転げ落ちることかもしれない。
青春とは何か? それはコーラ三本一気することかもしれない。
時に助け合い、時には喧嘩し、その日しかない一日をハヤテのごとく駆け抜ける。
それもひとえに、ミスコンを開く。それだけのために。
回想するのは、ミスコンの思い出。
煌びやかなドレスに、生き生きとした笑顔。誰もが笑ってハラハラする。そんな時間に憧れた、ちょっぴり幼かった自分自身。
こんなミスコンを
創ってみたい!
誰もが全力で生きていて、自分のやりたいことは何かを探して、もがき続けていた。
何に夢中になってもいい。
何に心を燃やしてもいい。
だってそれが
青春なのだから。
ミスコン、どうだった?
最高でした。
カツラと階段とコーラがあれば、ミスコンは18時間で創れる
ちょっとでいいから覗いてみなよ。
目を離す暇もない、最高の青春が待っている。
学園祭の前日、ミスコン出場者が全員食中毒で倒れてしまった!
タイムリミットは18時間。新たな出演者を探し出し、無事ミスコンを開催できるのか?!
無茶だと思うでしょう? 無謀だと思うでしょう?
それがね……凄いんですよ、彼ら。
兎にも角にも、全編通して会話のテンポがめちゃくちゃ良くて、どんどん読み進められる本作。
特に主人公・まとすけとヒロイン・はおりんの掛け合いは見事なボケツッコミで爆笑必至、思わず声出して笑ってしまうので周囲に注意です。
なぜ、カツラを被って一芝居打たねばならぬのか。
なぜ、階段を上から全部転げ落ちねばならぬのか。
なぜ、コーラを3本も一気飲みせねばならぬのか。
意味はない。けれども全力。
ハイテンションで突き進んで、笑って泣いてぶつかって、掛け替えのない仲間たちと大きなことを成し遂げる。
一つ一つに意味はないかも知れない。けれども、全力でバカをやること自体に、きっと意味がある。
ラストの章は本当の本当に楽しくて、胸が熱くなって、なぜだか涙が溢れて、画面がうまく見えませんでした。凄いパワーでした。
過ぎ去ってしまった青春の日々の追体験。
最後まで読み通した時、きっとあなたも何かをやり切った充足感に包まれ、そして腹筋が6つに分割されていることでしょう。
出場者が全員キャンセル!?
18時間で一からミスコンを創り上げる、笑って感動できて、そして笑えるコメディ。
出場者探し、パンフレット作り、企画の練り直し。
やらなくてはいけないことは山積みだけど……。
このメンバーでミスコンをやりたい!
そんな強い思いで、四人は走り回ります。
タイトルの通り、カツラと階段とコーラでミスコンを創っていきます。
全力で青春する彼ら。真剣だからこその衝突もあって……。
何かを創り上げることの難しさがしっかり表現されていて、ただのコメディで終わっていないところも素晴らしいと思います。
キャラクターも最高です。
不発弾系女子、羽織。特殊すぎる変態、恭平。突っ込み担当のまとすけ。そして一見優秀でまともそうな実優さん……だけど……?
特に、まとすけと羽織の掛け合いがとても魅力的です!
そして、ミスコンの出場者たちとの化学変化も必見!
ちなみに私は、1話あたり平均して3回笑いました!
青春と聞いて、何を思い浮かべるか。
甘酸っぱい恋模様。友情。部活等で流す汗、などなど。青春のたった二文字には、実に多くの思いや意味があるのではないでしょうか。
そして、忘れてはならないのが、『バカバカしさ』
後になって、あの時はどうしてあんなしょうもないことに、一生懸命だったのかと、自分のことなのに他人事のように首を傾げてしまう。そんなバカバカしさ。
黒歴史、イタい過去として、目を背けてしまいたくなるものも少なくないでしょう。
ですが、この作品。
バカバカしいのが、輝いているのです。
といっても、くだらないことをして騒いで迷惑をかけるというわけではありあません。
バカバカしいくらいのハイテンションで、悩んだり奔走したり、喧嘩したりしながら、全力でミスコンを成功させる。
確かに、たかが文化祭のイベントなんかに全力とかと、かったるい思いを抱く人もいるかもしれません。あるいは、そういう残念な青春を送ってしまった人にこそ、読んでほしい。
主人公のまとすけが、高校のミスコンのために、全力で悩んで走って転がり落ちる(?)姿は、クスッと笑ってしまうかもしれませんが、決して馬鹿になどできないはずです。
応援したくなるはずです。
最高の青春時代を過ごしたという人も、残念な青春を過ごしたという人も、平凡な青春を過ごしたという人も、あるいは現在進行系の人も、ぜひお読みください。