コーラの泡が弾ける間に、階段を転げ落ちる間に、それは輝きを放ちながら。

学園祭の前日、ミスコン出場者が全員食中毒で倒れてしまった!
タイムリミットは18時間。新たな出演者を探し出し、無事ミスコンを開催できるのか?!

無茶だと思うでしょう? 無謀だと思うでしょう?
それがね……凄いんですよ、彼ら。

兎にも角にも、全編通して会話のテンポがめちゃくちゃ良くて、どんどん読み進められる本作。
特に主人公・まとすけとヒロイン・はおりんの掛け合いは見事なボケツッコミで爆笑必至、思わず声出して笑ってしまうので周囲に注意です。

なぜ、カツラを被って一芝居打たねばならぬのか。
なぜ、階段を上から全部転げ落ちねばならぬのか。
なぜ、コーラを3本も一気飲みせねばならぬのか。

意味はない。けれども全力。
ハイテンションで突き進んで、笑って泣いてぶつかって、掛け替えのない仲間たちと大きなことを成し遂げる。
一つ一つに意味はないかも知れない。けれども、全力でバカをやること自体に、きっと意味がある。

ラストの章は本当の本当に楽しくて、胸が熱くなって、なぜだか涙が溢れて、画面がうまく見えませんでした。凄いパワーでした。

過ぎ去ってしまった青春の日々の追体験。
最後まで読み通した時、きっとあなたも何かをやり切った充足感に包まれ、そして腹筋が6つに分割されていることでしょう。

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