怪盗+探偵=ラブコメ?
学園に現れる怪盗を追う少女探偵。追う者と追われる者の微妙な関係。どちらがどちらに焦がれているのか? 送られてきた書面は、果たしてラブレター? 予告状にも見えるけど。
とにかくこの作者はラブコメが上手い。そのくせ作中の謎解きが、ラブコメ作品としては有り得ないくらい本格的。まあ、恋愛以上の謎はこの世にないから、これくらいがちょうどいいのか。
果たしてすべての謎が解ける日が来るのか? あるいは怪盗の正体が明かされる日がくるのであろうか? なんかそれは、永遠に来ない気がする。なぜなら、それはラブコメの終焉を意味するから。
この、怪盗と探偵の息詰まる死闘。永遠に続く追跡劇。謎の上に謎、そのさらに上には新たなる謎。
永遠に続く謎解きに、拍手喝采を。
コンテスト「お題」15cm!
長い・短い、高い・低いに囚われがち、「第三の手段」に気づいたとしても、作品につなげるには別の困難があります。思い付いた手段と作品への取り込みが旨い。
そして登場するアイティム達も何故そんなものがそこに?と思ってしまいますが、そんなご都合主義に全く違和感を感じない舞台背景と名わき役達!
高い観察力と知謀の彼(男)、憂いある過去を持ち我が道を行く彼女(女)。個性的すぎるキャラの偏屈な生き様を「恋愛」で綴じたこの物語は、その香しさと未知の味に気が付けば「完食」(読了)していた絶品の一皿です。
個人的に、鶏(ネタ)が先か?卵(ドラマ)が先か?この物語は一体どこから生まれ出たのか?それもまた気になる謎?
(゚∇^d) グッ!!
ミステリー慣れしていなくても大丈夫です。
あらすじ等に書かれているとおり、ミステリー作品でありながら、謎を解く気がない人でも楽しめるエンターテイメントになるよう周到に工夫されているようです。
その工夫は、たとえば頻繁に登場するなぞかけで読者をくすりとさせるところに現れています。
ラブコメの要素もあるため、物語の盛り上がるポイントがいくつもあり、読んでいて気分がさめる心配もありません。
とは言え、ミステリー作品なら最大の魅力はミステリー部分。
ここにもちゃんと作者のサービス精神は発揮されています。
この作品では、様々なルートから暗号の答えや真相に気がつけるよう、補助線をいくつも用意してくださっているように見えます。
(そのおかげで私は、暗号を全く解けなかったのに真相の一部をつかめました)
だからミステリー慣れしていなくても大丈夫、というわけなのです。
読み返してみると、解くためのヒントを丁寧に出してくださっている印象があるので、
「謎を解きたい!」という方は、感度を上げて読んでいけば、仮に暗号を解けなかったとしても、答えにかなり近づけるのではないでしょうか?
ミステリー小説はあまり読む機会がないのだが、この作品は15000字という文字数に上手く起承転結が描かれていてとても読みやすかった。
短編でミステリーだと推理やトリックに時間をかけがちで登場人物に愛着が湧かないのでは?と先入観があったのだが本作はそれを良い意味で裏切ってくれる。
夕風の過去の描写が無ければ私がここまで彼女に対して感情を抱く事はなかったとも思うのでミステリーとしてのトリックも称賛したいのだが一番に構成力に拍手を送らせていたただきたい。
今後、展開が広がりそうな終わり方でもあるので次回作があればそれも是非読んでみたいと思う。
時間にして15分程度で読了可能。
田舎の電車であれば駅から駅までの行く時間で読むことが出来るのでご一読いただきたい。
「はー」→「うおおっ」→「マジデっ!?」→「ふふっ」
↑四話中盤からにかけての私の醜顔の変動です。
本作のレビューについては既にいくつもの素晴らしいレビューがあがっているので、わたしの稚拙なレビューは割愛させていただき、ただ感想を……
お見事!
ミステリー脳が低い私は終始感心して唸るばかりでした。
軽やかな文章に巧妙なトリックが添えられてリズム感が心地よかったです。
一度も読み止まること無く読了。ほんとうに面白かったです。
いち男子としてはキレ者で一途な十一郎を応援してやりたい所ではあるのですが……
そこは年の功ってやつを見せつけちゃってくださいよ!と叔父さんを応援してしまうミドルのジレンマ……。
ともあれ、素晴らしいエンタメをありがとうございました。
是非とも私もこの世界に混ざりたい!
いつも簡単に引っかかってしまうミステリ研のダメキャラとして! オーバーエイジ枠で! ダメですか!? ですよね。
一人の怪盗を追い続ける少女と、その少女に一目惚れした少年。
探偵と助手という関係ならば相思相愛に発展しそうなものですが、少女が常に一方通行かと言わんばかりに前向き過ぎて中々に見向きされない少年の苦労が読者にも伝わってきます。
そして肝心の謎解きも最後のところで明かされて納得し、更にその奥に隠された真意を見て驚かされました。伏線の張り方と言いますか、巧みなトリックの仕掛けと言いましょうか、そういう描写と発想がこの上なく素晴らしいです。
推理物が苦手な人でも楽しめるし、青春ストーリーとして味わえる二度美味しい小説。一度読んでみては如何でしょうか?