サービス精神旺盛!溢れるとんちと補助線

ミステリー慣れしていなくても大丈夫です。
あらすじ等に書かれているとおり、ミステリー作品でありながら、謎を解く気がない人でも楽しめるエンターテイメントになるよう周到に工夫されているようです。
その工夫は、たとえば頻繁に登場するなぞかけで読者をくすりとさせるところに現れています。
ラブコメの要素もあるため、物語の盛り上がるポイントがいくつもあり、読んでいて気分がさめる心配もありません。

とは言え、ミステリー作品なら最大の魅力はミステリー部分。
ここにもちゃんと作者のサービス精神は発揮されています。
この作品では、様々なルートから暗号の答えや真相に気がつけるよう、補助線をいくつも用意してくださっているように見えます。
(そのおかげで私は、暗号を全く解けなかったのに真相の一部をつかめました)
だからミステリー慣れしていなくても大丈夫、というわけなのです。
読み返してみると、解くためのヒントを丁寧に出してくださっている印象があるので、
「謎を解きたい!」という方は、感度を上げて読んでいけば、仮に暗号を解けなかったとしても、答えにかなり近づけるのではないでしょうか?

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