カクヨムコンが始まり、好みの作品と出会えないかなとトップ画面を眺めていたところに目に入ったのは全裸の文字。
『父さんな、ときどき会社で全裸になるんだ』
ふうん、全裸ですかそうですか。
一度はスクロールした指を、いやいやちょっと待って。全裸とは?と巻き戻して
二度見。全裸?なにを言っているの?と眉を寄せつつもあらすじを拝読。
魔法少女が変身するたび、お父さんが全裸になっちゃうよ☆
なるほど、分からん。
それが、最初の感想でした。
自分で言うのもアレですが、普段真面目に生きているのでおふざけは許しまへんでー!!な性格なのですが、ほんのちょっとした好奇心で1ページ目を読んでしまいました。気がついたら3話まで読んでいました、気がついたら……以下略。
ストーリーはあえて書きません!とにかくまずは3話まで読んで頂きたいのです!
はい、もう大丈夫です。主人公の口癖も移ってしまいましたね。次回予告も癖になります。
まず、タイトルからしてブッ飛んでます。
なんだよ、会社で全裸になるんだ、って!
そう思ってあらすじを読むと、さらにブッ飛んでます。
娘(未成年)が魔法少女になってその力を使うと、なぜか保護者たる父親が魔法少女本人の代わりに、社会的制裁(全裸になる)を受けるという、闇金の保証人のような無茶苦茶な設定!
もちろん、制裁は会社内だろうと、外出先だろうと、女子社員の前だろうと、取引先との大事な商談中だろうと、お構いなしに下される!
そして、その制裁で主人公がピンチになると現れる、謎の男Ⅹ兵衛。
常人(常識ある人のこと)が思いもよらない秘策で、主人公をピンチから救う!
某魔法少女アニメに対するアンチテーゼ、魔法少女本人は不幸にならないけど、保護者が不幸になる、という設定が素晴らしいです。
しかも、今の所、魔法少女は一度も登場しておらず、完全に父親目線で、いつ洋服が爆発四散するのかというハラハラ感がたまりません。
いや、いつ爆発四散するのかを、物語間の「次回予告」で自らネタバレさせるという、小説としては禁じ手まで平気で使う、作者の手腕がさらに笑いを引き立てています。
魔法少女以外にも様々な作品のパロディが織り交ぜられていて、ギャグのごった煮みたいで笑いが止まりません。
ある日突然、魔法少女の父親になってしまった男たちの魂の叫びを聞け!
「そんなのってないぜ!!あんまりだぜ!!」