まず最初に。主人公はじめとする登場人物の年頃はライバル意識や抑えられない性欲動があります。
それを潤滑剤として上手く物語に絡めているのがこの作品。
二人称物語ですが、この字数でよくもまあこんなに違和感なく詰め込んだな……と思いました。
男性なら主人公の少年の気持ち、そして女性ならヒロインの少女の気持ちに、何方でも共感できる部分が出てくると思います。
そしてエピソード構成の巧みさも語っておくべき秀逸な点です。
第一話と最終話が逆ならば『よく練られた恋愛物語だな』で終わる所を、意図してこの構成にした手腕はお見事。
時間のある時に何度でも読み返したくなる。
そんな物語です。おすすめします。
そしてここからは町田愛なのですが、私は失敗しました。
この物語を読む前に作者様のノートを覗いてしまい、書かれていた『21gの登場人物』というワードに頭が町田で埋まってしまったのです。(1週目はウォーリーよろしく町田を探していた)そして気がつけば物語が半分も頭に入っておらず、終始町田探しゲームをしていた事に気がつきました。この愚行を犯してしまったがために2回読み返すことになったのですが、それはそれで有意義な時間であったと明記しておきます。