最後に明かされる想いに、ぐっとハートを掴まれる

思春期の恋。
その捕らえどころのない情動に揺さぶられる彼、彼女の心情が、透き通った文体で描かれています。
また短いながら、大胆に時を区切った構成が、物語に幅を広げており、その広がりが「唇」に向かって収束していく。
そして最後に明かされる想いに、ぐっとハートを掴まれる。
たとえるなら、休日の午後にいただく、小さな甘酸っぱいフルーツタルトに、香り高いミルクティー。そんな心のときめくお話です。

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