概要
ある種の人は怨念を保存するDNAをもつが、そこには同時に禁忌も存在する
【あらすじ】
『半魂とは、魂の半分を怨念に冒された悲しい血族のことを言う』
相模湾に面して弧を描いた地形の鎌倉は、丘陵に奥深く入り込んだ谷戸(やと)が多く、鎌倉時代から有名な城塞都市でもある。
この地で連綿と血脈をつないできた九暁家は、呪術を主とする巫女の家柄。源実朝を暗殺した公暁を母方の祖先に怨念の世界に生きてきた。
九暁家の当主、九暁辻湖は巫女さまと呼ばれ、政財界の重鎮にツテも多い。それは闇の呪術を使う巫女としての名声のためだ。多くの人は祝福ではなく、呪いを求めて辻湖の元を訪れる。
九暁家の歴史は古く、老齢になった辻湖には血族を存続する義務を持つが、後継者がいなかった。
九暁家が長年つづけてきた近親相姦による弊害である。
その日、辻湖は冷凍保存した卵子で体外受精を
『半魂とは、魂の半分を怨念に冒された悲しい血族のことを言う』
相模湾に面して弧を描いた地形の鎌倉は、丘陵に奥深く入り込んだ谷戸(やと)が多く、鎌倉時代から有名な城塞都市でもある。
この地で連綿と血脈をつないできた九暁家は、呪術を主とする巫女の家柄。源実朝を暗殺した公暁を母方の祖先に怨念の世界に生きてきた。
九暁家の当主、九暁辻湖は巫女さまと呼ばれ、政財界の重鎮にツテも多い。それは闇の呪術を使う巫女としての名声のためだ。多くの人は祝福ではなく、呪いを求めて辻湖の元を訪れる。
九暁家の歴史は古く、老齢になった辻湖には血族を存続する義務を持つが、後継者がいなかった。
九暁家が長年つづけてきた近親相姦による弊害である。
その日、辻湖は冷凍保存した卵子で体外受精を
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!圧倒的禍々しさを感じる重厚な作品!
まだ第一章が完結した段階でこのレビューを書いていますが、この作品からは圧倒的禍々しさを感じます。
第一章は紫緒という女性が出産するまでが書かれているのですが、その出産シーンが凄まじいですね。そこに至るまでも物凄く禍々しく、出産シーンに至ってはゾクッとさせられるほどの圧倒的文章力を感じます。
彼女の世話をする宜綺(むべき)、彭爺(ほうじい)、そして出産に関わる男達。
タイトルの『半魂(はんごん)』が何を意味するのかは、現段階では分かっていませんが、この出産は呪われたものであるという事は分かります。
この作品、どうなって行くんだ……?
と、続きが気になって仕方ありません。
作者の雨杜和(あめと…続きを読む