第3章 第46話 インディアンポーカー

僕と健太は【魔王ザルド・ダークネス】の四天王ヒミッゾの【アブソリュート・ルール】によりインディアンポーカーをしていた。


……僕は意を決して金貨を取った……僕が自分のひたいに付けてるのカードは8よりも【上】だと決めた!


「ふたりとも、こっちを御覧ごらんなさいまし……」

ヒミッゾが言うと僕と健太はヒミッゾの方を向く。


右手でトランプを額に上げて、左手は机の下でコインを持ってるので、どちらが勝者か、あるいは引き分けか……ヒミッゾには丸わかりである。


「うふふ……そうなのね……」

意味ありげに笑いながらヒミッゾは決着を求めた。


「ふたりともトランプとコインを机に置いてくださるかしら?決着をつけましょう、うふふ」


僕と健太は同時にトランプとコインを置いた。


健太は【ハートの8】と銀貨を置いた……僕はと言うと金貨と……


……【スペードの9】……


健太は僕より低いカードを持っていて銀貨【下】を選えらんだので正解、

僕は健太より高いカードを持っていて金貨【上】を選び正解、


引き分けだ。


「なかなか面白い勝負だったわ……では、次の勝負に行きましょう……

ディーラー!トランプをシャッフルして1枚づつ配りなさい!」


ディーラーは机の上のコインとトランプをを回収した後、トランプをシャッフルして1枚づつ配る。

さっきと同じだ。


僕も健太もさっきと同じ要領で自分の額にトランプを右手で持つ。


……健太はクローバーの6だった……これは【上】だ!


僕はディーラーから金貨を取り、ゲームの決着に備える。


「うふふふふ……あはははは……あなたたちは本当に仲がよろしいのね」

ヒミッゾが笑いながら言うとゲームの終わりを告げた。

「そっちのガッチリしたかたの勝利ですの……」


僕は金貨を机の上に置き、額に付けていた自分のカードを見た。


……ハートの5……僕と健太の仲が良いとは2ゲーム連続でトランプの数値が1差だからだろうか?……


そんな考えをしていたその瞬間、僕は固まった。


「掃除機が無いと何もできない坊やね……うふふふふ……あはははは……」


ヒミッゾがあおりながら僕に近づいてくるが、健太が唐突とうとつに質問をした。


「なあ、ヒミッゾさんよぉ……勝ったらご褒美くれるんだよな?」


「ご褒美?ああ、そういえば言ったわね……わたくしを求めてもダメでしてよ?オホホホ……」


「俺が欲しいのは……」


「欲しいのは?」


「【魔王ザルド・ダークネス】の居場所だ」

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