第3章 第34話 ラポーナに【アレ】を質問する

僕の名前は高橋一郎


異世界に召喚されてコードレス掃除機で魔王四天王を二人ほど撃退した掃除屋さ


この世界のどこかに召喚されたクラスメイトを救って全員で元の世界に帰るべく、僕を含めて7人の仲間たちと旅をしている


僕と一緒に召喚されたクラスメイトは3人


まずは剣士の佐藤健太さとう けんた

茶髪の短髪の体育会系で頑丈な体で最前線を僕らを守ってくれる頼れる男だ


魔術師の中村雄一なかむら ゆういち

金髪で独特の口調で魔術を放ち、僕らの窮地を救ってくれる


盗賊の山田美咲やまだ みさき

盗賊のスキルを使いこなし僕らを助けてくれる赤髪のツインテールが自慢の少女


そしてこの世界に来てからの仲間3人


宮廷魔術師見習いのラポーナさん!

魔王討伐の王命を受けて僕らをみちびいてくれる頼れるリーダー


猫耳と猫のしっぽを持つ獣人の少女ミレイ・ファング!

何故か僕をしたってきて語尾に『にゃ』をつけて話す彼女の料理はプロ級で常においしい料理を提供してくれるありがたい存在だ


そして僕のヒロイン、エルフの美少女アルレシア・シルヴァリス!

彼女は【アリ―】と呼んで欲しいと言ったので、僕を【一郎】と呼んで欲しいと言ったらなまりなのかワザとなのか【イチルウ】と呼ぶ。

まあ……かわいいから……いいんだけどね……


あと、セルリアンブルーに輝くコードレス掃除機、その名も【アベル商店の掃除機】で数々の魔物をほふってきた僕を合わせて7人が、【魔王ザルド・ダークネス】の四天王の一人、美しい女悪魔のヒミッゾが支配している拠点ソードアへ、クラスメイトが監禁されていたら救うために向かっていた……





美咲と雄一が馬車の御者を担当して、健太は寝ている。

アリ―が弓と矢の手入れをしていて、ミレイは僕の膝を枕に寝ている。


いつも通り本を読んでいるラポーナさんに、僕は今まで疑問に思ってたことを聞くことにした。


「ラポーナさん、聞きたいことがあるですが……」


ラポーナさんは読んでいる途中の本にしおりを挟んで閉じてから、すり寄ってきた。


「一郎くんが私に聞きたいことですか?

私の好きなデートスポットとかですか?

私と同居するならどんな家が良いか……ですか?

私と結婚したあと何人子供が欲しいか……ですか?

どれですか?全部ですか?!」


……違う、そうじゃない


「【魔王ザルド・ダークネス】四天王はラポーナさんの名前だけ、何故なぜ知ってるんですか?

しかも知ってるだけで、あまり気にしてる様子ようすがないのは何故なぜですか?」


ニヤニヤしていたラポーナさんの表情が、僕の質問を聞いた途端に真面目で凛々しい表情に変わった。


「一郎くん、その質問応えるためには皆さまがそろっているときが的確かと思われますので食事時にお答えしてもよろしいでしょうか?」

「特に異世界から召喚された佐藤さま、中村さま、山田さま、そして一郎くんの4人には……いつか話さなければならないと思っておりました……」


僕は小さく頷き、次の食事の時間を待った。


「で、私と愛をはぐくむときが来た時に、どんなところにデートに行きましょうか?どんなどころに住みましょうか?!」


ラポーナさんが僕に迫ってきたその時、僕の膝で眠っていたミレイが起きてラポーナさんに噛みついた。


「ぎゃー!ミレイさん何するんですか?!」

「うるさいにゃ!ラポーナはアッチに行ってるにゃ!!」

「あなたこそアッチに行きなさいよ!私は一郎くんと愛ある将来のことについて語り合うことがあるのです!」

「うるさいにゃ!ミレイがご主人様と一緒に寝るのを邪魔するにゃ!」


ミレイとラポーナさんが言い争いをしている。

美咲と雄一は馬の手綱を持って御者の仕事に没頭している。

健太は相変わらずピクリともせず寝ている。


そんななか、アリーが近づいて来てくれる。


「イチルウもモテモテで大変だね」

「いや~騒がしいだけだよ」

「イチルウは優しいから女性が集まってくるんですよ、私もそうだけど……」

「でも、僕が一番楽しいのはアリ―と話してる時だけだよ」

「うふふ、私も」


僕とアリーは仲良く話しているうちに馬車が止まる。


「そろそろ食事にしな~い?私お腹が空いたぁ~」


美咲が馬車の手綱を離して食事の催促さいそくをしてきた。

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