第2章 第31話 vsトールス・ドイム

扉を開けると健太、雄一、美咲、他2人が鎖でつながれていた。

そして、他2人は僕の元の世界の制服……クラスメイトだ!


「トールス・ドイム!僕の友達を開放してもらおう!」

部屋の真ん中の円形の魔法陣の中で怪しい儀式を行っているトールス・ドイムに僕は叫んだ。

この時点でトールスへの奇襲は失敗したけど、いろいろ聞きだしてから戦う雰囲気ふんいきになった。


「【魔王ザルド・ダークネス】の四天王の一人!コウモリ魔人トールス・ドイムよっ!

われはユゲノラ王国宮廷魔術師補佐、名はラポーナ=ブルノジー!

この儀式は一体なんですか?」

ラポーナさんが言うと


「ラポーナ……お前がラポーナなのか……」

トールスが呟くように言うと話を始める。

「この儀式は私の魔力を高めるためにやっている……異世界人の魔力を奪う為だ……

私は四天王のなかで一番弱い、だから魔力を高めるて他の四天王と肩を並べる為にこの儀式をおこなった。

街の人間全員を私の姿に変装させて時間稼ぎしたのに……

ま、いいか……

儀式を邪魔されてはかなわん!魔狼よ、侵入者を殺せ!」

部屋の隅の方にいた魔狼が左右から僕たちを襲ってきた。


「魔狼をまずは退治するから、みんなは自分の身を守りながら儀式の邪魔をして!」

みんなに声を掛けると僕は【アベル商店の掃除機】のスイッチとターボボタンを押して魔狼の魔力を吸引する。


ブォオオオオオオオンンッ!!


襲ってくる魔狼をセルリアンブルーに輝くコードレス掃除機の吸引口が魔狼を捉えては一瞬で小鳥サイズにちぢみ干からびて全滅させた。


これを左右に繰り返し、襲ってくる魔狼の50体ぐらいが一瞬で縮み干からびた。

ターボタンのおかげだ。


儀式の方はと言うとトールスが傷だらけになりながら続けていた。

どうやらアリーが矢をて、ラポーナさんが魔法でトールスの周りに真空を作りトールスを切り刻み、ミレイが石を投げていた。


その執念たるや恐ろしいものがあったが、続けさせるわけにいかないので【アベル商店の掃除機】を向けた。


ゴォオオオオオオッ!


セルリアンブルーに輝くコードレス掃除機が轟音を上げながら僕と一緒にトールスに近づくとトールスが「ギャー!」と悲鳴を上げながら縮んでいき、やがて魔狼と同じく小さくなって干からびた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る