第1章 第5話 掃除を極める

僕はお皿と同じ要領でジョッキを洗っていく


1個2個3個7個10個20個30個……ジョッキ洗いが加速していく……


レベルが上がりにくくなったのだろうか?ジョッキを洗って上がったレベルは1つ、つまり現在9レベルと予想される。


ジョッキ洗いが終わったので次はホールだ。


昨日の客が楽しんで気づかずウッカリこぼした食べ物や飲み物が机やイスや床に転がってる。

僕が机の上の食べカスというには少し大きいかたまりを右手で持つと左手にはいつの間にか丁度良いゴミ箱を持っていた。


僕はとりあえず拾えるくらいの食べカスをホール全体の分をゴミ箱に入れて、右手に突然現れた雑巾で机、イス、壁を拭くとピカピカになった。


そう思った瞬間、雑巾を持ってたはずなのにモップを持っていた。


モップで床を拭くとモップが触れてる床の半径1メートルくらいの範囲で綺麗になった。


モップで床を拭きながらホールを一回りしたら床もピカピカになった。

窓を拭くときも右手には雑巾を持っており、サッと拭くだけでピカピカになった。


ホールが見渡す限り光り輝く空間になるほどしっかり掃除をしたので男を呼んでホールを見せるとまた「まぶしつ!」と叫んで両手で目をふさいだ。

「オメーさんには驚かされることばかりだぁ……サンキュー、助かったよ。これ少ないけど貰ってくれ。」

男は金貨1枚を僕に渡して続けて言った。

「オレの名前はセスバル。この居酒屋【アシカの髭亭】の店主だ。また明日のこの時間に来てくれると助かる。」

セスバルは僕に微笑んだ。


アシカの髭亭を後にした僕は宿屋に行く。


宿屋には掃除と洗濯の仕事がありそうで、どこまでが掃除でどこまでが選択か・・・調べるついでにやることにした。


【大通り3番目の宿屋】

そう書いてある看板の宿屋と思われる建物の前に僕は立っている。


ようし、今度はこの宿屋の人達を驚かせるぞ!

そう意気込んだ僕は宿屋のドアを開けた。


「いらっしゃいませー!お泊りですか?お食事ですか?」

三つ編みの1本おさげという清潔な髪型をした妙齢みょうれいの女性が僕に声をかけてきた。

僕は答えた。

「掃除はいかがですか?」

三つ編みの女性が少し驚いた表情してる隙に、僕は続けて言った。


「この近くの【アシカの髭亭】はご存じですか?先ほどそこを掃除してきたのですがね……お皿、ジョッキ、机、イス、床、ホール全体をピカピカにしてきたところなんですよ」

今、気がついたけど僕はアシカの髭亭を徹底的に掃除したことにより自信にみなぎっていた。

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