第4章 第54話 野営

2つのテントを張り終わり2つのテントの間に焚火たきびのスペースを作り、

男子がテントを張ってる間に女子はまきを拾ってきていた。


雄一が魔法で薪に火をつけて焚火が完成した。


あたりはすでに暗く、焚火たきびあかりがとても頼もしく暖かい。


ラポーナさんが夜営の見張りの順番を決めたて、

みんなに発表した。

「見張りですが、男子は佐藤さま、一郎くん、中村さまの順番で2時間40分づつ見張りをしてください。

女子は私、アリーさん、美咲さん、ルナさんの順番で2時間づつ見張りをします」


「ラポーナさぁ〜ん、ミレイちゃんは見張りしないの?」

美咲が質問するとラポーナさんが目を曇らせて答える。

「ミレイさんは見張りの途中で寝てしまうので、見張りをさせない事にしました」


そう言えば僕がミレイと見張りを一緒にやった時に僕の膝の上を枕にしてグッスリ寝てた。

試しにハンディクリーナーのダイヤルを【眠】に合わせて眠気を吸引したが、5分もしたらまた眠ってしまったので、獣人族は昼も夜も寝る、とにかくたくさん寝るので夜も当然寝るのだ。


「では佐藤さまは私と最初の見張り番をよろしくお願いします」

「はい、俺は夜強いから大丈夫です」

「じゃあ、健太、ラポーナさん、よろしくねぇ〜」

美咲が健太とラポーナさんに挨拶をしてからテントに入ると、みんなも同じように声をかけてからテントに入った。


僕はダイヤルを【眠】に合わせたハンディクリーナーをラポーナさんに渡すとラポーナさんに肩を掴まれて耳元で囁いてきた。

「一郎くんに寂しい思いをさせる組み合わせですが、この埋め合わせは必ずしますので……」


「いや特に良いですよ、そんな気を使わなくても……」

と僕が言っている途中に突然、僕の頬に柔らかくて暖かい感触……


……チュ……


……???……


……おやすみのキス……お母さんが子供にするアレかな?……


僕はボーっとしながらテントに入って眠りについた。






僕は目を瞑っているけど体が揺さぶられてたと思ったら耳元で『クゥゥゥゥン……』と言う音がしたと思ったら僕はバッチリ目覚めた。


「うぉっ?!……もう時間?」

僕は少し驚いた表情で健太に聞くと

「おう、交代の時間だ……これ返す」

と健太が答えてハンディクリーナーのハナちゃんを僕に渡した。


僕がテントを出ると焚火たきびの火の向こう側にアリーがいた。


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