第1章 第15章 二人の女性

「高橋さん……私というものがありながら、エルフの方と仲良くなるのは酷くありませんか?」


僕の首の下を見ると僕の胸の辺りでの腕が絡んでネックレスのように見えた。

僕の左肩に人間の女性らしき顎が乗っており左目を左側の最果てに流して見れば人間の女性の顔がある。


問題は僕の背中だ。

僕の背中になにやら柔らかい感触があるがこれはなんだ?

僕には経験がない感触だが、この状況証拠から仮定すると……


               おっぱいだ


……僕は好きな女の子の前で辱めを受けたいかり、好きな女の子との会話を邪魔されたいきどおり、そして男として少しうれしいに少しだけ、ほんの少しだけ複雑な心境になっていた。


アリ―は怒った顔で僕の後ろにいる女性を僕から引きはがそうとしながら

「ラポーナさん!何してるんですか?!イチルウから離れてください!」

と叫んだ。怒った顔もカワイイ……


「高橋さん、いえ、一郎くん!あなたは私の王子様です!もう離したくありません!」

と僕の後ろにいる人間の女性は滅茶苦茶なことを言い出した。

僕は首に巻き付けた手を振りほどき後ろを向く。

僕に後ろから抱き着いてきた人間の女性の正体はラポーナさんだった。

ただ、何故、僕に色仕掛けを仕掛けてきたのか謎だけど、アリーとの会話の邪魔なのでラポーナさんには退散してもらうことにした。

「ラポーナさん、僕は今、アリーと話をしてるのでアッチに行ってもらえますか?」

「そうです!ラポーナさんはアッチに行ってください!」

アリ―も僕に続けて言った。


ラポーナさんは色気のある顔から凛々しい顔に戻して言った。

「そうはいきません。街に帰り城へ戻り魔物の事を大教区長に報告に行きます。もちろんマイハニーあなたもです」

「僕はラポーナさんのハニーではありませんし、このエルフの森に住むことにしました。

これからは高橋一郎ではなくイチルウとしてアリ―と共に人生を過ごすとします。

今まで本当にありがとうございました」


僕が言い返すとアリーは喜び、ラポーナさんは僕を睨みつけながら言った。

「……高橋さん、帰りたいんじゃないんですか?あなたがいないと佐藤さんたちも帰れないんですよ?それでもこの森に残りますか?残された佐藤さんたちはこの先どうすればいいんですか?」


僕が少し答えに困ってるとアリーが口を開いた。

「私もイチルウと一緒に街に行く!」

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