第1章 第1話 異世界に召喚される

僕の名前は高橋一郎。

海老名泉高校1年生……だった。


……ついさっきまでそうだった。


今目の前にあるのはアニメや映画で見たファンタジー世界の王国の謁見の間だ。


自分の前にはさっきまで学校の教室で話をしていた友達がいた。


佐藤健太、中村雄一、山田美咲……そして僕。

謁見の間の真ん中にある丸っこい魔法陣のようなもの真ん中に僕ら4人はいる。


「……で、隣のクラスまで行ってさ……」

健太は話してる最中だったのでまだ口が動いてて景色がいきなり変化したことで話すのをヤメて目を丸くした。

目を丸くしたのは僕を含めた他の3人も同じで、人間は本当に驚いた時には唖然として目を丸くするのを実感した。


法衣をまとった初老の男が口を開いた

「陛下、異世界人32人のうち4人をこの場に召喚しました。」

三段高い場所にある豪華な椅子に座って、王冠を被った威厳のある服を着ている男が言った。

「大教区長よ、残りの28人はどこにおる?」


どうやら法衣を纏った男が大教区長で王冠を被った男が国王のようである。


「陛下、残りの28人も我々の世界に来てるようですが見当たらないところをみるにどこか見知らぬ土地に飛ばされたかもしれません・・・」

大教区長が答えると国王が命令する。

「うむ。では残りの28人の行方は捜索せよ!あと宮廷魔術師はその4人に全てを説明するとせよ!」


「ははっ!宮廷魔術師見習いのラポーナ=ブルノジーよ、異世界人4人への説明と世話を任せる。」

国王の命令を聞いた大教区長が杖を持ちローブを着た長い黒髪の美しい女性に命令し、女性が答えた。

「ラポーナ=ブルノジー拝命つかりまつる」


国王が立ち上がり奥の部屋へ去ると謁見の間にいた文官や衛兵たちも外へ出て行き段々人影が少なくなっていく。

人がやがていなくなり、この謁見の間が体育館くらいの広さだったのに気づいたのは一人もいなくなってからだった。


僕らは周りを見渡した。


天井には天使や神と思われる絵画がえがかれておりその天井を支える柱には豪華な細工が施されている。


「本当に異世界に来たんだ……」


僕が心の中で呟いてると、ラポーナが扉へいざなうとともに口を開いた

「異世界人の皆様、こちらへどうぞ」


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