第3章 第44話 触られる

「とても残念なことに、この中で不正をした方がいらっしゃいますわ」


「誰とは言いません……が、【アブソリュート・ルール・ミュージアム】の新しいルールが1つ追加しますの……

……今後この部屋で掃除機を使用することを禁止します。」


……早速バレた……


ヒミッゾはそう言うと僕に近づいてきた……というか、僕に抱きついてきた。

「【アブソリュート・ルール】今から次のゲームまで、あなたは私から逃げてはいけません……魔力を吸い取る掃除機を勝手に使った罰だと思ってくださいまし……」


……魔力を吸い取る掃除機?なるほど、勘違いしてくれたのは都合が良い……


……もう、ハンディクリーナーも【アベル商店の掃除機】も使えない……これからは気を付けて行かないと……


緊張する僕の胸や顔をヒミッゾはその美しい指で触ってきて抵抗することなく、ヒミッゾのされるがままに体を触られた。


はずずかしさからなのか、いかりからなのかはわからないけど、アリーとミレイとラポーナさんが顔を真っ赤にした。


……アリーごめん、こんなところ見せてしまって……


僕は心の中であやまった。


そして僕は頭に来てヒミッゾのあやしく美しい指にはめられてる指輪を雑巾で拭いた。


「まぶしっ」


ヒミッゾは両手で目をおおった。


「な、何をしましたの?!」

「ヒミッゾ、あなたの指にはめてある指輪を磨いただけですよ……ピカピカになって嬉しいでしょ?」


……僕がピカピカに磨いた指輪のまぶしさにヒミッゾは半歩後ろに下がった……


「こんなことをしてタダで済むと思わないでくださいまし!」

「そんなことは最初から覚悟の上さ。

あなたのゲームが終わったその時、僕たちの勝ちだ」


……僕はヒミッゾに対して勝利宣言をした!……アリーを解放するために……ヒミッゾに捕らえられてるクラスメイトの誰かを救うために……僕たちは負けない……


ヒミッゾの美しい顔が屈辱に満ちた悔しさで崩れた。


「次のゲームに移ってくれないかな?さっさと終わらせたいんだ」

健太が言うとヒミッゾが更に悔しさを表情にあらわした。


だが、ヒミッゾは冷静さを取り戻し豪華な椅子に座り足を組んだ。


「よろしいですわ……次のゲームは記憶をなくしながらボールを投げ合っていただきますの」


ひとつのボールがあらわれた時、僕たちに異変が起きた。


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