概要
暗い目をした、感情の失せた美しい少年だ。
彼は過去に婦女暴行事件を起こし、家庭裁判所に送致された。少年院ではなく一般人が立ち入り禁止となっている一ノ瀬病院の隔離病棟に措置入院となった過去を持つ。
物語は彼が辻ヶ丘高校へ転校してきた日から始まる。
美しく異様に魅力にあふれた少年は、あらゆる意味でクラスの注目を浴びた。
彼は最初から水城陽毬(通称ヒマリ)に接触してきた。
水城陽毬(通称ヒマリ)、十七歳。彼女は中学生の頃、思春期神経症を患い、同じ病院の一般病棟に入院していた。
ヒマリは一般人が立ち入ることを禁じられた隔離病棟を見つけ、偶然、ジニと出会う。そこで、ふたり
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!サイコパスも美少年も、淡い恋も。全てがミステリ
全くお見事ですよ。
そもそも読み始めが、コンテストの読者選考の期間が終わってからで、さらに自分の作品の都合で途中でかなり間が開いてしまいました。誠に申し訳ございませんでしたm(__)m
さて、本日最後の「サイコパスvsサイコパス」そして、エピローグを無事読み終えると、フゥ、と溜息が出てしまいました。
すべてミステリーでした。情けないですが、仕掛けにはとことん弱い人間なのです。ですけど、すごいミステリー。
ある病院の隔離病棟の「危険な出会い」から始まる作品ですけど、そこからさまざまな過去が複雑に交わり、どんどん危険な空気が心中に充満していくわけですが、最後は劇的な終わり方でした。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この薄幸の美少年に一体何が起こったのか?
作品全体に儚げで薄暗い雰囲気が漂う作品。
一方で高校生が主人公なので、友だちとのやりとりなどはクスっときたり、恋模様のハラハラも存在します。
まさに思春期の年代の危うさときらめきを表現したミステリなんだと思いました。
といっても、主人公のジニみたいな人生は過酷すぎるのですが。
またこの作品は、記憶がテーマなのだろうと思いまして。
主人公の少年ジニは記憶にない事件の犯人にされてしまう。
ヒロインの少女は初対面の美少年から以前、会ったことがあるといわれて困惑する。など、様々な登場人物が鮮やかにリアルに存在し、彼らがなぜこんなことに巻き込まれたのか、といったところに読者は引き込まれます。
一体何…続きを読む - ★★★ Excellent!!!作者さまのサイコパスの描写は圧巻!
異世界ファンタジーにコメディーにタイムスリップと、何でも書ける多才な作者さまです。そのうえに、長編短編のすべてが完結済みです。同じカクヨムで書いているものとして、ほんとうに羨ましい才能です。
そして今回の作品のようなサイコパスが登場する現代ミステリーもまた、作者さまの小説家としての才能が惜しげもなく発揮されるお得意のジャンルです。
普通の人とは違った思考回路を持って生まれたサイコパス。その怖い怖い描写は圧巻です。そして当然のこととして、ミステリー小説としての読みごたえも十分です。終盤にかけて伏線の1つ1つが回収されて、浮かび上がってくる犯人像……。
「凄惨な連続殺人事件と傷害事件…続きを読む