冬野つぐみのオモイカタ

作者 とは

83

28人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

まだ六話まで拝見していませんが、おどろおどろしい雰囲気で挟まれる断章や随所に現れるカタカナ表記のミステリーらしい不穏さで物語に引き込まれて行きました。つぐみがこれからどのような異変に遭遇するのか楽しみに続きを読ませて頂きます。

★★★ Excellent!!!

 衝撃のシーンからスタートするこの物語。

 二話目からは、冒頭シーンに至るまでの時間の出来事が語られて行く。現在から過去にいったん戻って話は進行し、気づけば冒頭シーンを追い越している、という構成。その後はリアルタイム進行。

 じりじりじわじわと、日常に非日常が忍び寄る。ミステリーというより、サスペンスと言う方がしっくりくるイメージ。
 異能者が絡む事件。しかし主人公は異能は持たず、巻き込まれた形。異能者も、それを使えば何でもできるという訳ではなく、人よりできる事が多い、ちょっと便利程度のもので、それを使っての派手なアクションはない感じです。
 勘がよく、観察眼と推理力のある主人公と、周囲とのやり取りはテンポが良く、小気味良い。
 主人公が明るい性格のため、作中の暗い雰囲気は相殺されていますが、内容としては残酷な要素も。スプラッタの方向性ではないですが、薄気味が悪いと感じる不安さ…若干のホラーっぽい空気がありますので、苦手な方は要注意。一話目が大丈夫なら、その後も大丈夫だと思います。

 丁寧に描かれるじっくり進行。
 一人称で、ひとつのシーンをそれぞれの視点から見せてくれたりと、登場人物の人柄に触れる機会がとても多く、それぞれの過去の経験や思い等も深く知りながら物語を読み込んでいけます。

★★★ Excellent!!!

この作品は冬野つぐみという、人との付き合いがどこか苦手な女子大生が主人公であり、そんな彼女の親友である沙十美との学校生活から物語が始まります。

ですが、1ページ目を開けば既に事件が始まっており、読んだ方は事件の経過とそれにいたるつぐみの学園生活を追うようになります。

つぐみを取り巻く環境と、沙十美を優しく思う心理描写はごく普通などこにでもある風景。
ですが、それらがどこかで壊れるのが決まっているということは、時折挟まれる事件の一幕で解ります。

もちろん、日常パートを読み進めていけば出会う少女と少年。意味深な動きをする人たちの動きが見え、どのような展開が巻き起こるかと、読み進めることが出来ます。

ミステリーが好き、じっくり読み解きたい人におすすめです。

答えを焦らない、リードミスをしない。
つぐみが体験し、判断する物語についていきましょう。

★★★ Excellent!!!

【物語は】
親友の視点から始まっていく。ある者に囚われ、キーワードである黒い水が出てくるものの、まだ事件は謎に包まれたまま。何故彼女は囚われたのか。どうやって囚われたのか。何故彼女だったのか。色んな疑問を残したまま、事件以前の二人の日常へと移っていく。事件から過去へという時間の戻るスタイルは、ミステリーにはとても合ったスタイルであり、一体何が起きるのだろうかという好奇心を刺激する効果を持つ。ここから、主人公視点となり二人の日常風景が明かされていくこととなる。

【物語の魅力】
会話文から始まることには、注視の効果がある。しかもその中で、二人が似たモノ同士であることが明かされており、相手が否定をしないことから、二人がとても仲が良いことも分かって来る。主人公には今まで、心から気を許せる友人がおらず、彼女に出逢ったことを喜んでいたり、その友人を大切にしている様子が伺える。何故二人が友人になれたのか、どうして気が合うのか。主人公の心情が丁寧に描かれているため理由が納得でき、二人の関係が羨ましくも思える。

日常の中では贈り物をモチーフに、素敵なエピソードが盛り込まれており、微笑ましい一面もある。自然な流れで、好意を感じさせたり話の流れがとても巧い。交互に繰り返されていく日常と、親友の現在。その高低差は、日常がか輝かしいほど、親友の現在を絶望が襲い、読者の恐怖感を呼び覚まし、ゾッとさせる。書き方、構成が巧いと感じた。この手法は、読み手によって感じ方が違うかも知れない。

【登場人物と事件の在り方】
はじめは似た者同士で、とても仲の良かった二人。ある日を境にその関係は少しづつ変化していく。しかし読者は冒頭で親友の想いに触れているため、根底は変わらないのではないかと思うに違いない。つまり、何か理由があるのではないかと疑ってしまうのだ。変わらない自分と、変わってしまった親友に寂しい気持ち… 続きを読む