クラウス・サーマル 01

 僕の名前はクラウス・サーマル。

名前もない小さな村にお母さんと二人で住んでいるんだ。

でもこの村は僕の御先祖様が作った村だから、みんなサーマル村と言っているよ。


父さんは僕が小さい頃に死んじゃったから覚えていないんだ。

でもおじいちゃんや、マンリオおじさん、それに村の人たちもいるからさびしくないよ。

ただ、3年前まではおばさんも一緒だったんだ。

おばさんは、僕と一番中のよい友達だったんだ。

おばさんと言っても僕と5歳しか違わないから僕とよく遊んでくれたんだ。

だけど、僕がお姉さんと言うと怒るんだ。

何でお姉さんって言うと怒るの?って聞いたら「ネンショーシャに対して叔母としてのケンイがどうこう」とか、よくわからない事を言っていたよ。

そのおばさんは魔法の才能があったみたいで、魔法使いになると言って、どこか遠い町の魔法学校へ行って帰って来ないんだ。

よくわからないけど「マホーガクシ」って言うのになるまでは絶対に帰って来ないって、言ってたよ?

お母さんに聞いてみたら、それになるのは凄く難しいって言ってたけどね。


僕の趣味は魔物狩りで、7歳の頃から魔物を狩っているんだ。

お母さんは「危険だからやめなさい」って言うけどさ、村の周辺に魔物が出るんじゃ村の人だって迷惑だからね?

だから一匹でも減らしたいと思ってやっているのさ。

でも、この間は確かに危なかったよ。

村の東側にはアプロは出てこないはずなのに、いきなり出てきて僕を追いかけてきたんだ。

危ない所だったけど、偶然通りかかった旅の人が助けてくれたんだ。

シノブ兄ちゃんと言って、とても強いんだぜ!

最初に会った時はレベル10だって言ってたけど、きっと本当のレベルを隠していただけだと思うな。

だって、アプロを一発で倒したんだぜ?

それがお母さんよりもレベルが低いなんて考えられないよ!

自分を鍛えるためにこの村に来たって言ってたけど、それも本当かな?

でも、確かに毎日凄い勢いでレベルが上がっていって信じられない位だったよ!


別れる時はちょっとさびしかったけど、シノブ兄ちゃんは特別製の銅の剣をくれたんだ。

それを使えば大芋虫なんて一発だって言うから試してみたら本当に一撃で倒せたから驚いたよ!


この間、祖父ちゃんとおじさんたちがロナバールに行った時にシノブ兄ちゃんと会ったらしいんだけど、凄い屋敷に住んでいて、エルフのお姉さんの奴隷までいたって言って驚いていたよ。

でも、まだロナバールにいるなら今度僕も会いたいな。


だから今度、ロナバールでゴーレム祭りがあるから祖父ちゃんに頼んで連れて行って貰う事にしたんだ。

そうすれば、シノブ兄ちゃんにも会えるし、楽しみだな!

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