菜の花づくしで盛り上がる冬
今日もダルい料理をするために商店街ならびにスーパーへと足を向けます。日常メシなんてものはマジで何の変哲もない肉と何かを炒めたアレが九割を占めます。代わり映えのない日常。でもそんな日常が愛おしい人もいるんでしょう――って。
菜の花が出てるじゃないですか!
……いやでも
菜の花は日本の三大おいしい雑草でしてよ!!
ええ。マジで雑草でしてよ。何がどう雑草って、市場に出ている菜の花が正確に何の菜の花なのか同定しはじめるとめちゃくちゃややこしいことになりますの。たとえば、いま購入したこの菜の花……千葉県産ですし茎が太めですから、おそらくはナバナかしら? 実はものっそい微妙に味が違いますの。
わたくし調べで菜の花でもっとも菜の花なのは河川敷に生えているもの……背の高いカラシナか背の低いアブラナの
微妙な差であればカラシナは辛いと言われるけどあんまり辛くないし、菜の花は苦くないと言われるけどやっぱ地味に苦いですわね。カキナやナタネの菜の花は軸と葉茎がメインでやや春成分が弱めって感じかしら。それから見た目からして紅いコウサイタイは菜の花のなかでも香りが大陸な菜の花で、ちょっとヌルっときますわ。あと苦味が苦手ならアスパラ菜がオススメ菜の花でしてよ。
なんかすでに一生分の菜の花を打鍵した気がしますけれど、これから本日購入しましたこの菜の花、すべて使いますわ!! ええ! わたくし食べたいものを手に入れたら明日には死ぬかもしれないの精神で喰らい尽くすことにしていますの!
というわけで、参ります! まず豚こま菜の花!
まぁ、やることは少ないですわ。なぜか九十円で売っていたこちらの青森県産ニンニクをスライスして、菜の花を適当に分断、ごま油を敷いたら、まず菜の花! 一パック全部ぶっ込んでフライ返して押し付けるようにして焼いてやりますの! この! この! ちね! 皿に上げたらおニンニクとゴマ油! からの豚こまに塩を振りつつの投入! この間に味噌汁ですわ!
もちろん菜の花! 分断!!
わたくし味噌汁の作り方に関しましてはド低能との定評がありましてよ。水を張った鍋にだしの素とおしめじ、お舞茸、色味と強弁するための人参半月、薄切り人参からの――菜の花! 菜の花ですわ! 一パック投入!
さらにさらにその間に、菜の花のおひたしをつくるべく、お湯を沸かしますわ! このとき大事なのが、お相撲さんを意識した塩の投入ですの。あ、お肉に火が入ったのでお皿の菜の花を戻しましょう。したらば味の素をファッサー振りつつフライパンを揺すってお湯が湧いたので菜の花を一パック投入!
ああ、この香り……もうお台所が菜の花ですわ……!
菜の花との一体感を深めつつ、フライパンの菜の花にキッコーマンさまのお生醤油をちらっと鍋肌から投入! 茹で菜の花は色が変わったらさっさとザル上げからの冬の寒気で冷却! 味噌汁予定の鍋に山吹さまのお無添加白山吹ですわ! フライパンは火を止めてお皿にあげて、さっさと洗いはじめます!
てんやわんや! てんやわんやでしてよ!?
……まぁ、
できましたわー! これからくる冬を全否定する菜の花づくしでしてよ!
ああ……この……この……なんでしょう。
なんと素晴らしいことに、お菜の花はおほうれん草と違っておシュウ酸が少なくあられますのね。ですからお肉をお食らいあそばさせられてもおよろしい系ヴィーガンのわたくしさまにお優しゅうございますわ。最高!
しかも! まだ一パック残っていますわー!
……つ、使い切れていない……!?
※ワンポインヴィーガン
カゴメさまお野菜生活の名称を擬人化するとヴィーガンさまになりますの! 魚を含めた動物性食品を否定する生き方ですのね! でもヴィーガンにも魚だけOKとか乳製品だけなら可とか色々とあるらしいですわ! ですからわたくし、何を食べてもいい系ヴィーガンを名乗っていましてよ! ふふふ!
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