田舎からの刺客と戦う煮物

 今年も残りわずかとなりまして、本年度もお付き合いいただきありがとうございましたとスーパー入店、長老喜ちょろぎ! チョロギがあります! 私の好きなお漬物、不動の一位が! 購入! あら玄関にダンボール……あ、田舎から。よっこら重っ!? 重い! なにこれ――って、


 ちったぁ加減せんかい田舎モンがぁぁぁ!!

 

 はっ! い、いけない! いただき物にブチキレ金剛力士ヴァジュラパーニなんて失礼きわまりませんわ! ごめんあそばせ――っつってもさぁですの! 手作り蒟蒻こんにゃく三キロ! 大人の男の拳大里芋二十個以上! ぶっとい長ネギ七本! 漬物二キロ! 緩衝材がわりに袋パンパンに詰まったずいき! 切り干し大根! よく知らんとこの米ぇ!


 ありがたいにも程があるっちうんじゃありませんことー!?


 どうすんのですの!? どうすんのですの!? このこんにゃく三キロとかマジでどうすんのですの!? しかもパックじゃないからご近所にも配りにくい! というかこのご時世、食物を配ったりしたら不審人物の誹りを免れえませんわ!


 とにかく、とにかく少しでも食べていくしか……ありませんわ!


 というわけで、蒟蒻と蒟蒻と蒟蒻と里芋と里芋と長ねぎの煮物を作ってまいりましてよ! まずは日持ちの悪い蒟蒻ですわね。うわ……えげつない重さ……。ええい愚痴ってもしかたありませんし本日は五百グラムいきますわ! レンガブロックな塊を半分くらいに薄くいたしまして、隠し包丁。あとでフライパンで焼きましょう。


 つづいて里芋は……四個くらい……いっときますの……? わたくし、誰に尋ねているんでしょう。情緒が不安定になる物量ですのね。長ネギは一本。まあ里芋はそれほど焦る必要ありませんけれど、こんにゃくの圧倒的ヘルシーさのせいでお腹ペコちゃんさまになったらわたくしが可愛そうですものね。


 里芋の皮むきは以前も書きましたわね。気合ですわ。いちおう里芋や長芋は濡らさないようにしてピーラーを当てれば滑りにくくなりますの。だからなんだで気合dえすけれど。でもって一口大にしたら塩もみですわ。ヌタウナギなんかと同じタイプのぬめり取り。長ネギはなんかもうざっくり切ればええけんですの。


 したら油をしいて蒟蒻イン! 


 ……なんかぶじゅぶじゅいってますけれど、これ焼色とかつきますの? こんにゃくステーキとかやったことないのでわかりませんわ。ついでですから長ネギと里芋も遅ればせながら参戦! ですの! でもってお出しにお醤油その他いつメン(いつものメンバー)でコトコトですわね。


 でもってその間に……ずいきの味噌汁ですわ! わたくしずいきことお芋がらの独特な食感は嫌いじゃありませんわ。味は……味もへったくれもねーですけれど。さすがにタンパク質が足りないのでちょろっとプロテイン味噌汁にしておきましょう。ここで里芋を投入すると里芋に胃袋と血糖値を破壊されてしまいますものね。


 あとはいただいたお漬物を刻んで……できましたわー!

 蒟蒻と里芋と長ネギの煮物とずいきの味噌汁でしてよ!!


 ……うわぁ、めっちゃ茶色い割にヘルシーな気がしないでもないお味ですわ……なんか、とっても農作業が捗りそうな腹持ち感がございますの……。それこそアレですわ。冬コミなんかにお弁当としてタッパ満載の里芋とか持ってくとカロリー爆弾で里芋気絶部のコスプレ(実演)とかできるかもしれなくってよ!


 ……蒟蒻、あと二千五百グラム……どうしたらいいんですの……?



※ワンポイント田舎

 こんなに送ってもらって――なんて生っちょろいこと言ってると喜んでもらえたと勘違いして来年は倍量を送りつけてくるのが田舎ですわ! しかも田舎では未だに物々交換文化が残っていますし、余ったらご近所さんと交換してって感覚ですの! ありがたくお礼を言いつつも心を鬼にしてもうちょっと少なめにしてくださいとお願いするか、あるいは覚悟を決めるしかありませんわね!

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