リハビリの玉子チャーハン

 ひっさびさの金曜日です。きたからには例のごとく藪睨みといいますか、眩しそうな目をしてスーパーの棚を見て回ります。でも、あれですね。最近は物の値段があがるのばかり観測されて物珍しいものが見つかりませんね。そんなときはそう。


 玉子チャーハンです!


 前に作ったのはオーソドックスなおせちチャーハンだったので、もっとイレギュラーな玉子チャーハンを作ろうというしだいです。これを昼夜逆転ならぬ、異常逆転といいます。なんでそんなことになってしまったのか。野球で盛り上がっていたからでしょうか? 違います。もっとしんどいお祭りがあったからです。


 KACは苦行! KACは苦行でしてよー!


 わたくしアマ作家の端くれとしてカクヨムに身を置いていますから、大きいお祭りにはできるだけ参加するようにしていますの。でもKACだけは何度やっても終わったころにはへとへとでしてよ。千字くらいので誤魔化せばいいのにがっつり数千字で書いちゃいますのね。わたくしったらおバカさん。


 このストレスはチャーハンづくりで叩き潰して差し上げますわ!


 さて、なにからはじめましょうか。まずお米ですわね。こちら美味しい玉子チャーハンを目指すなら、お水すくなめの炊きたて一択でしてよ。次点で冷凍ご飯の解凍直後。あるていどホカホカしてないとフライパンの温度が下がりすぎてしっとり超えてべちゃるって寸法ですのね。


 では、ご飯を炊いたら具材を準備。お玉子チャーハンさまはお優しい料理なのでなにをぶちこんでも受け止めくださいますの。あ、でも、水気が多い食材は避けて下さいまし。濡れるのがお嫌いですのね。お玉子チャーハンさまだけに。わたくしなにを言ってますの?


 わたくしが用意したのはお新玉ねぎ、お長ネギ、おピーマン、それからおウィンナーですわ。ザ・ご家庭チャーハン。のっけから水気の多い食材を選んでいくスタイルですの。わたくしのことなら心配しないでくださいまし。ご家庭チャーハン道は茶帯くらいのワザマエですからレタスチャーハンまでいけますわ。


 さぁみじん切りますわ! あらゆるものをみじん切っていきます!


 おチャーハンの主役はお米ですから、お米のサイズに合わせる感覚にすると口当たりがよくなりますのね。したらば、お玉子! 今回はふたちゅ! 噛んだ拍子にグチャっと割れちゃいましたわ。ほんと、わたくしなんでこんなに玉子を割るのが下手になってしまいましたの……? お料理の不思議ですわね。


 お玉子はボウルでシャカります。混ぜるって意味でしてよ。できるだけ卵白のつながりを断つように釈迦しゃかるのがコツですの。市販の鶏卵は無精卵が大半ですから現代の仏教ならば許されるはず。くわしくはお調べくださいましね。


 では! ステパンにゴマ油を引き、煙が立つまで温めすわ!


 こっからは時間や勢いとの戦いですのね! かならずお玉子とおホカ飯を手元においといてくださいまし! 参ります! 玉子イン! ご飯イン! 間を置いたらいけませんわ!


 手にお玉をもって! お玉の背中でご飯をべしべし懲らしめてやりますわ!


 えい! えい! KACのおバカ! わたくしの時間と集中力を返して下さいまし! えい! ちれ! お砕け散りなさいまし! フライパンを返したくなりますけれど、しっかり散らばしてから食材イン! ここ!


 どっっっっせぇぇぇい!

 

 ……ふぅ。ではお塩を振って、中華スープの素など入れて、お野菜から水が出る前に手早く混ぜ混ぜですの。最後に鍋肌ならぬステパン肌から醤油を垂らし、お皿にざーっとあげまして、かーんせーい!


 わたくしのリハビリにもってこいの、ご家庭チャーハンですわー!


 お味はまぁ、わたくし茶帯ですから、チャーハンマニアでなければ誰にお出ししても二度見されるくらいには美味しいはずですわ。わたくし食べ慣れすぎてフツーにしか感じませんけれど。


 ちなみに、ごま油のところをバターやオリーブオイルにして潰しおニンニクで匂い付け、カレーパウダーをかければドライk……カレーチャーハンになりますわ。他にはチリパウダーと湯引きした細切れトマトをぶちこむメヒカンチャーハンや、油にマヨネーズをつかってウスターソースで味つけ青のりをまぶすKANSAIチャーハンなどなど……チャーハンの可能性は無限。


 チャーハン時空は生姜焼き宇宙と併存しますわー!



※ワンポイントドライカレー

 意外としられていませんけれど、ドライカレーは日本料理でしてよ! チャーハンタイプがドライカレーと呼ばれた理由は存じ上げませんけれど、一般的なドライカレーといえばひき肉を使いますの! つまり、わたくしのこよなく愛するドライキーマこそが日本人の手で改造を施されたドライカレー一号ですのね!

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