塩むすぶの手ぇあっつぃ

 初心者向けに書いたら『お米の炊き方がわからない方もいるのでは?』とコメントをいただきました。うむ。前回、尺が長くなりすぎるからとどこぞの救世主よろしく無から白飯を出してしまったツケですね。では。


 塩むすびを握ろう。


 そうです。おむすびです。あるいは、おにぎり。おぬぐり。まぁ呼称の由来はなんでもいいんですけど、せっかく初心にかえったんだから基本中の基本から振り返ってみようと。


 さぁ、お米を炊くざますよ!


 うっかり山の手弁ですわ。ごめんあそばせ。

 お米を炊いて白飯に加工しようと思い立ったら、まず購入する米の選定と、調理器具の選択が始まりますの。白米と玄米、もち米あたりが簡単に買えますけれど、今日は使い勝手のおよろしい白米をチョイスですわ。


 もちろん白米といっても色々と品種がございます。わたくしは長らく「あきたこまち」でしてよ。ふっくらもちもちタイプですわね。秋田ですと近年サキホコレという品種もでたらしく、これ少し試してみたいと思っていますわ。


 お米を買ってきたら冷暗所ないし冷蔵庫に保存場所を確保しまして、一般的には炊飯器か鍋……まぁフライパンで代用できなくもありませんし、飯盒はんごうが好きという御方もいらっしゃいますけれど……わたくしは象印さまのIH炊飯器を使わせていただきますわね。


 懐かしいですわ。わたくし今回の指摘を受けて思い出しましたの。むかし、お友達にお米につかう洗剤を聞かれて、冗談だと思いレモン系を勧めたら後ほど匂いが気になったと言われ……わたくしが人生ではじめて成人にお米の研ぎ方を説明した日でしてよ。軽いホラーですわ。


 んでは、まずお米を食べたい分だけすくいますの。炊きあがると乾燥状態の倍くらいに膨れるイメージですわ。したら、なにか手を突っ込めて水が貯められる容器に移します。あ、わたくしのように炊飯器の釜で研ぐ四天王プロレススタイルはデンジャラスですので非推奨でしてよ。


 えぇと……それから、お水を入れます。お米というのは乾燥させてあるので、まず水を含ませますのね。同時に表面の汚れなども浮くので、水をいれたら即、排水ですの。これでお米のミイラもお肌プルプル手前ですわ。


 では、研ぎますわよ!

 

 研ぐというのは、こすり合わせて磨くという意味ですわ。まぁ精米技術も上がってますし、無洗米などは特に綺麗にしてありますし、てけとーに混ぜればオッケーですのよ。あえてわたくしのやり方を披露すれば、中国拳法は形意拳のうち虎形から、こう、爪をぐわっと立てた感じで突っ込み混ぜ混ぜですわ。


 お水が白く濁ってきたら排水して、また混ぜ混ぜしながら注水。乳白色が薄まれば薄まるほど匂いも減りますので、お米の匂いが苦手な方は濁らなくなるまでやっちゃってくださいまし。栄養がーとかほざかれましたら、やかましゃボケ玄米食うとれカスぼてくりこかすどコラ言えばいいけんですわ。


 さて、お水。これ量に好みが出ますけれど、炊飯器なら釜に線が書いてあると思いますので、こちらを参考にすると楽ちんですわ。あとは……ちょっとリッチに乾燥昆布をちょびっと入れておくとかかしら? 味の素なら炊けてからのほうが調整も楽でしてよ。


 では急速炊飯でスイッチオン! からの時間跳躍タイムリープ


 炊飯器の前でボッ立ちしてたわたくしさまに成り代わり、


 さぁ! おぬぐりますわ!!


 まずは手のひらについている黄色ブドウ球菌やらを流水で洗浄ですわ。アルコール殺菌でも念のため使用後に流水。お釜を開けたらご飯におしゃもじスラッシュ。混ぜるのでなく、切って、ひっくり返すイメージで修練ですわ。したらばボウルに味付け用の食塩水を作ってお手々をザボン。


 熱々のお米をお手々にアツイアツイアツイ!!


 わたくし生まれつき手の皮膚ひふが薄いんだそうですの! だからアチアチにヨワヨワですのよ! アツイので握るときは一瞬でぎゅっと! 形はお好みですけど三角にするならハムスターを包む心持ちで手のひらクロスからのぎゅっと! おにぎりの角に中指と薬指をかけて回転――、


 もう感覚的すぎて説明がおっつきませんわ!?


 ここでポインツ! 一般にふわっと握れといいますけれど、好みの問題でしてよ!

 わたくし、冷めたおにぎりは固め派なのでギュっとしますの。手の塩水で味付けも完了。あとはコンロでお海苔を軽くあぶって巻きまして……、


 できましてよー! 塩おむすびですわー!


 超シンプル、ですわ……。

 あ、お弁当にパリパリお海苔を持ち込みたいときは、アルミホイルの中央にお海苔を置いて左右を畳み封印、おにぎりに巻き、現地でコロンチョからのアルミホイル破りで疑似コンビニにぎりになりますわ。おためしあそばせ!



※ワンポイント四天王プロレス

 四天王プロレスといえば故・三沢光晴さまの九一年式タイガードライバーですわ! 対面する相手の頭を押し下げ、両腕を取って背中側に回して固定クラッチ、体を持ち上げ、首からマットに突き刺しますの! あぶない(素)。

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