　サッカー、惜しかったですね。でも頑張りました。ベスト16おめでとうございます！　……って、いつまでもベスト8を悲願にしてないで一発勝負のトーナメントだフロックだろうが四つ勝つ！　くらい言えばいいのに。権利はあるんだし。

　ということで、麻婆茄子を食べましょう！

　なにがどういうことなのかというと、どういうことなんでしょうね？　言ってる私自身もいまいち分かっていません。けれど、言い張る勇気は引く勇気と同じくらいとっても大事だと思います。そうたとえば、麻婆茄子だって言っているのに、

　冷凍庫からガチガチ台湾ミンチを出した、このわたくしのように！

　ええ。ええ。お料理の定義マニアであらせられる方々からみれば、台湾ミンチもどきを取り出した時点で麻婆茄子ではございませんの。そもそもが麻婆というのは四川にお住まいであらせられたタフネス未亡人チャオチャオさまのことですし、考案されたのは豆腐と羊肉をつかった麻婆豆腐ですものね。さらに四川で茄子を使う料理といえば魚香茄子といって面倒くせーのでこの辺にしておきますわ。

　フライパンにゴマ油を引いたらガチガチ台湾ミンチをイン！　弱火で解凍しつつ茄子の下処理をはじめていきますわ。わたくし何を隠そう、油をたっぷりと吸った茄子がこの世で最も許せませんの。ええ。大っっっ嫌いですわ、マジで。なので切り方はちょい厚めの薄切りにしますのね。

　だいたいにして油が回って火の入りすぎた茄子はぐちゃどろでクｓ――お排泄物マズイですし、美味しいじゃん私は好きだよとか聞いてねーし、ほんだらごま油でも飲んでろカスこの味覚障害の（中略）と罵倒まじりで泣くまで詰める所存でいるくらい嫌いですわ。でも生茄子は大好きでしてよ♡　スポンジみたいでたまりませんの♡

　さて、ほどよく解凍されてきましたら茄子をイン！　ついでにラー油！

　ここで豆板醤や花椒（ホアジャオ）をいれると本格四川もどきになりますけれど引くほど辛くもなるのでわたくしは投入しません。ラー油だけ。でもって片栗粉と鶏ガラスープを水溶きしてイン！　とろみをつけた気分にだけ浸りましょう。別になくっても構いませんわ。なんならその方が食べやすいですし。

　ところで、秋茄子は嫁に食わすな、とか、西日本では秋なすびは嫁に食わすなとか言いますわよね。その意味は秋茄子は美味しいから嫁に食わしたらもったいのうございますとか、秋茄子は水分が多くて体を冷やすから大事な嫁に食わすのはお可哀そうだとか、秋茄子は種が少ないから子宝に恵まれなくなるだとか申します。

　けれど、真相は違いましてよ。本当は秋茄子の言い換え――すなわち飽（あ）き成（な）すで、せっかく来てくれた嫁が息子に愛想を尽（つ）かして出ていってしまうから、というのを今の流れのなかで考えてみましたけれどいかがかしら。わたくしおマナー講師さま（失礼クリエイター）になれそうじゃありませんこと？　ふふふ。

　なんて言うてるあいだに茄子がグズグズになりそうなので上げちゃいましてよ！

　できましたわー！　まーべらすな麻婆茄子もどきでしてよ！　ええ！　もうほぼ完全に麻婆茄子ではございませんし台湾まぜ茄子とでもいうべきですけれど混ぜてもいねーしで大変なことになってますわ！　なんですのこれ！

　でもでも、お茄子はわたくし好みのぱふぱふ感！　ほんのり辛味！　白飯（しろめし）はパクリンチョでしてよ！　ちなみにこちら、ナス科の植物ならだいたい相性もおよろしくできていますの。

　たとえば線切りおじゃが、おピーマン、おトマトなど――さらには、それぞれを賽の目サイズに刻んで投入すればあら不思議！　ジャパニッシュチャイニーズドライキーマカレーウィズアウトカレーですわ！　

　……ものは言いようですわね！

※ワンポイント四川料理

　意外かもしれませんけれど、唐辛子は必須じゃありませんの！　唐辛子は十七、八世紀に同じく内陸部の湿潤地域、湖南省からもたらされたと言われていますし、傷んだ食材や淡水魚を念入りに加熱しパクった香辛料でごまかしてるだけですのね！　ですからわたくし家常菜（かていりょうり）の麻婆で四川の格調とか語られたら練り上げた内气功（ネェィチーゴン）で茶を沸かしちゃいますわ！　四川だけに！　ふふ！