芋がらを戻して煮ておやつとする
年が明けてから早二週間、そろそろ例のやつを消費していかなくてはなりません。いえ別に無理して消費することもないんですけど、取っておくと割りとデカめな空間を専有してしまうのでちょっと使っておきたいんですね。その例のやつとは、
芋がら(ずいき)です!
ご存知でしょうか、芋がら。もし私が日本国内で田舎認定警察をやるならこいつが簡単に手に入るかどうかが基準となります。特に乾燥させたやつですね。芋がらを食べたことがない人に田舎を語る資格はありません。なぜなら、
などと言いつつ、実は昨今ヘルシー食材として重宝されて……いますの? わたくし存じ上げておりません。とはいえ、一昔前のトレンドであらせられた歴史女子ことレキジョとか刀剣女子とか、あるいは古代に棲息していたという歴史男子や司馬遼太郎男子なんかは、人生で一度は芋がらを食するのが義務となっていますわ。
なぜなら! 芋がらは戦国時代の栄養補助食品だからですの!
芋がらというのはその名の通り、芋の茎ですのね。でもってそれを乾燥させたのち
まさに食べれる野戦装備となりますこちら、現代でお求めになられますと五十グラムで二千円くらいから――高!?
ともあれ、さっさと煮てしまいましょうとしたいのですけれど、こちら乾燥状態なので水戻ししなくてはいけませんわ。水に浸してだいたい一時間くらいかしら。水が濁ったら取り替えてまた水を。ものによりますけれどアク抜きが甘いと食べてるうちにお口イガイガですからお気をつけあそばせ。
まぁ、わたくしの場合は食という原罪を背負いし者の責務としてお口イガイガも甘んじて受け入れる所存ですから水の交換とかしませんけれど。ちなみにこちらの芋がら長いまんまだったり短く切ってあったり状態はバラバラですから食べやすいサイズに加工してくださいまし。
では増えた芋がらちゃんをぎゅっとお手々で握りつぶして水分を抜き、人参の拍子木切り、こんにゃくの拍子木切りなどといっしょにフラパンにイン! 油はごま油を選択してーの油回り待ちですわ。回ったら味付け!
えーと……今回はおやつにしたいので、お醤油にお味醂にお酒におはちみちゅでちゅの。噛みまみたわ。ふふ。調味料が溶けるようにお水をテケトーにイン! 水をいれるのと味がつきにくい食材が多いので調味料は多めにいれるくらいをオススメしておきますわね。
あとは煮汁が飛ぶまで煮詰めるだけですの。このとき小さくなった芋がらちゃんがまたでっかくなっちゃうのでフライパンからこぼれないように注意ですわ。とにかく見かけのかさがすんごいことになるのでお菜箸とかで天地を回転させますの。
えい! やぁ! とう! この掛け声から剣術のことをやっとうと言いますわ。また少し賢くなりましたわね。せっかくですから、もうひとつ芋がら小話を披露しようかしら。
芋がらは芋の茎ですからもちろん茎ひとつに子が連なっているでしょう? 昔はその姿を
アホなことくっちゃべってたらだいぶ煮汁が飛びましたわ!
あとはもうお好きなしっとり具合をめざして水気を飛ばしていくだけ。ここで胡麻をいれたり輪切りの唐辛子をいれたりすると地味に味変――略して
できましたわー! 芋がらの蒟蒻いり甘辛煮でしてよー!
※ワンポイント干し芋がら
いくらなんでもお高すぎると思って調べ直したら五十グラム五百円のパケもありましたわ! でも田舎の農家さんと仲良くなればワンパケくらいは無料でくださるでしょうし、
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