包丁研ぎとだし

 おひさしぶりです。とても、とてもおひさしぶりです。秘技おなじ言葉を繰り返すとなんかポエミーに感じるの術。秘技なのに。主に小説がらみで修羅場っていたのですが、なんとかなりました。とても疲れたので疲労回復できる好物を食べたいです。


 山形のだしです!


 なにそれ。実は私も名前があるとは知らずに何度もつくってきた料理……料理というかふりかけ? よくわかりませんけど、本来はネバネバ野菜と夏野菜を混ぜてつくる料理なんですね。じゃあなぜ春に。みょうがを買おうと思ったら大袋かちっさいの二個だけで迷ってデカいほうを買っちゃったからです! ではさっそく……って、


 お包丁がクs――お排泄物切れませんわー!


 わたくしなにかっちーモン切りましたかしら? それとも単に経年で刃こぼれしただけ? 謎ですわ。ミステリですわ。怖いですわ。まぁ小説にかまけると生活の質がダダ下がりするので包丁研ぎがおろそかになることくらいありますわよね。


 ということで、先にお包丁を研ぎますわよー!


 ちなみにわたくし、横着ものなので面がぐんにょり曲がっちまった荒砥石と仕上げ砥石しかもっていませんの。いえ、買うつもりはあるのですけれど、おホームセンターさまは遠いし、いうほど使わんし、おダイヤモンドシャープナーだってあるし的なアレですわ。え? じゃあシャープナーで? いえ。


 刃ぁこぼれてまんねん! 

 

 研ぐからにはと見てみたらびっくりちゃんですの。一ミリはいきませんが半ミリくらいの深さで刃ぁが欠けてもうてますわ。というわけで、まずはおかなダライにお水を貯めて、ふたつの砥石をどぼんしますわね。砥石は使う前に水を吸わせる必要がありましてよ。だいたい……十分も漬ければおっけーちゃんですの。


 砥石の浅漬ができましたら、まずキッチン台に紙を敷きましてよ! これ大事ですわ! お大理石やおステンレスキッチンでは特に! 砥石は文字通り石を削るようにして金属を研ぎますので、もし石の粒子が混じったお水がキッチン台に落ちたら大変なことになってしまいますものね! 


 ではでは、まず荒砥石からですわ。砥石に水をかけまして、包丁は刃を手前にして砥石に当ててくださいまし。奥――つまり峰の側を二、三ミリほどあげて刃の角度を決めたら、指先で包丁を押しますわ。……文章だけで詳細に説明しようとすると思ってたより難儀ですわー! 諦めます! わたくし説明は諦めました! 


 こんなもん刃の形を整えたら仕上げでオッケーちゃんですのよーーー!!


 あ、ポイントは泥水というか砥石の上の水を払わないようにすることと、の確認をすることですの。特にステンレス包丁のかえりはなかなか取れへんので要注意ですわ。わたくしのおすすめはもう使わない革ベルトにでも擦りつけると取れやすい気がします。革砥じゃないのでお気をつけあそばせ。


 さぁ復活したお包丁で山形の――いえ、わたくしのだしを作りますわ!


 といってもやることは超絶すくねーんですの。用意するのは大葉、みょうが、オクラの三種類だけ。大葉は茎をぶっちぎって丸めて千切りからの横一か二で粗めのみじん切りにしまして、みょうがは半分にしてから斜め薄切り。

 

 さぁオクラ! まずは洗って塩を振って板ずり! したらヘタとガクの茶色いところをちょちょっと削りますわ。研ぎ直したお包丁でスイスイですの! 沸かしたお湯に塩ごとドボンして一分、氷水にあげて、ちょい厚めの輪切りにいたします。もうおわかりですわね?


 あとは全部ボウルにぶち込んで混ぜ混ぜするだけですわー! 簡単!


 わたくしの場合はお醤油と辛子やわさび、味の素が多いですわ。あと本場の山形のですとお胡瓜きゅうりやお茄子なすの千切りないしみじん切りが入っていたりしますわ。他にもおゴーヤ、おネギ、おセロリ、お人参などなど……


 わりと何ぶち込んでもおオクラさまのネバネバがなんとかしてくれましてよー!


 今日のわたくしは白米に直乗せ! からのおかずは豚こまのらぼう菜ですわ!

 まるで球界最年長野手、青木あおき宣親のりちかさまのバッティングフォームですわ。なんやあれ打席ごとに構え変わっとるやんけキモからのレフト前――いつでも帰ってこられる安心、安定のお味ですわー!



※ワンポイントお砥石

 砥石には人造砥石と天然砥石がありますの! 粒子や混ぜ込んだ研磨剤にもよりますけれど、一般に同じ粗さ(番目)を使っても天然のほうが滑らかに仕上がると言われていますわ! ただ、もう二度と取れないから一千万円とかしたりしますの! 石の世界はこだわりはじめると天井知らずどころか青天井ですわね!

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