虚無から生まれる有もあるおでん
前にも書いたかもしれないんですが、人間って毎日なにかしら食べるものを用意して調理していると年に七百日くらい限界を迎えるじゃないですか。もうなにもしたくないの向こう側です。思考すら止めたい。スーパーで目にしたのはおでんセット。
焼こう。おでんを。
鍋に水を張って出汁つくってそれぞれ臭いが強かったり煮崩れしそうだったり食感がわりと大事だったりするのを別々に下茹でしてとか、白米に合わないと知れている食い物のためにそこまでしてやる義理なんて今の私にはないんですよ。
こんなもんは油を引いたフライパンにぶち込んでやりゃ食えますのよー!
っていうか、なんならすべて生で食ったってもええねんですわ。あ、でもサイレントヒル以西くらいには存在しないでありましょう、おちくわぶだけはご注意くださいまし。あれは小麦粉の塊をおちくわの形状に整形しただけの、いわば江戸時代的なオシャレをキメたおすいとんないしおうどんあるいはおパスタ――あ、それですわ!
おちわぶはマッケローニ・ジャポネージ・エクストラ・スペッシですわー!
……ディープなんちゃらさま翻訳あっていますの!? わたくしの言語を司る左側頭葉さまがなんかちげー気がすんだけどもとおっしゃっていましてよ!? 直感ですわ! シックスセンスですわ! 前頭葉のちょっと奥っかわにある尾状核ですわー!
さてフライパンに油を引きましょうか。なんの油がいいのかわかりませんわ。こういうときは菜種油ですわね。ザ・スタンダード。私の脳はいま早めの春闘に突入しております。おブロッコリーも同じですわ。緑色のフラクタル。お可愛いですわ。
ではまず大根を……火が通りやすそうな二センチくらいで輪切り! からの見え見えの隠し包丁! 焼色をつけたいですし両面にいれておきましょうね。わたくしの大好物おちくわぶあらため日本マカロニは……刻みだけいれておきましょうか。あとはさつま揚げやらちくわやら巾着やらですしおっけーちゃんですわね。
いきますわよー! 本日のハイライト! 大根ステーキですわー!
無論のことバッチバチですけれど、わたくし今日は無ですからなんの痛みも感じませんわ。炒めだけに。遠すぎて笑いにくいですわ。ざっくり焼き色をつけたら残りのお練り物も投入でしてよ。でしてよ、なんてさもやったことある風に話してますけどわたくしは今、未知の領域を探索中ですの。なにが起きるか分かりませんわ。
でもまぁお練り物ってたいがい揚げてたりとかして表面に酸化した油がついていますし、火さえ通っていれば胃袋スプラッシュマウンテンは防げるはずです。わたくしの尾状核を信じて下さいましね、わたくしさま。
さぁ、ラストスパート! ドラムロールのお時間ですわ!
まずは刻みを入れたお蒟蒻を投入! ついでにおウィンナーソーセーズも一袋バーンですわ! でもってフライパンの中央を開けますの! ここ大事! そこに油をちょろっと足してぇぇぇぇぇ、生卵を割り入れますのよー!
そうですわ! 人によってはおでんの主役! お目
ジュジュジュッと白身が固まりましたお水を投入! ええ! そうですの! ウィンナーとギョクとグルテンが怖いおちわくぶを一緒にボイルですわー! ふふふ。わたくしの尾状核さまは今日も絶好調ですわ。中身おブロッコリーですけれど。きっとお
できましたわー! おでんでしてよー!!
ふふふふふ。わたくし休日になんてものを拵えているんでしょう。平日のわたくしは沼から出てきたスワンプマンにでもなるといいますの? 動いているからヨシ! ですわね! というわけで……まず無難そうなお大根さまから!
……これはおでん! おでんですわ! 材料はおでんでしてよー!
※ワンポイント焼きおでん
クッs――お排泄物めんどっちーですけれど普通に作ったおでんをフライパンで焼くとちょっと雰囲気が変わりましてよ! といっても、わたくしおでんそのものがあんまり好きじゃないのでまずやりませんけれど! コンビニとかどなたさまか直箸つっこみやがられましたおでんとかを加熱消毒して食べるとき限定のテクですわね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます