　すべて使い切るつもりで購入した菜の花が一パック余ってしまいました。これはとても大変なことです。菜の花は足が早い！　……というほどでもないんですけど、両手にパンパンな一パックならともかく片手サイズだと困るんですね。しかもダルい。

　ダルいときの心の友、それはトルティージャです。

　トルティージャというか正しい発音だとトルティーリャ？　問題はトルティーリャだとメキシカンなコーンスターチシートと間違われてしまうこと。今回、私が作ろうとしているトルティージャは同じおおらかな言語をあつかう国でもそう、情熱の国！

　スペイン風オムレツ（トルティージャ）ですわ！！

　ええ。そうですわ。オムレツと名付けられていますように、ようするに具をぶっ込んだ卵焼きですわ。ここは以前いただいた下田ブルーで……と見せかけて普通の鶏卵でしてよ！　残りはサクッと食べちゃいましたの。卵かけご飯は正直ちょっと微妙でしたし、ゆで卵は卵黄の粉感が少し違うくらいでしたわ。全部が卵黄みのある普通の卵って感じですわね。普通が壊れましたわ。

　さて、グダグダくっちゃべってないで調理してしまいましょう。まずおじゃがですの。ええ。腹持ちよくってよ。薄くスライスしたら次は玉ねぎですの。同じくらい厚みを目指す気分でスライスですわ。別にテケトーで構いませんわ。だってスペインの料理ですもの。

　考えてみてご覧なさいまし。もしスペインで大和（やまと）な女子が手作りを振る舞えば、近所のジャリガキですら「なんでも美味しく作れるんだね。魔法の手だね。素敵だね」くらい言いながら手ぇのひとつも握ろうとしてくるっちゅうもんですわ。

　さてそれから、菜の花ー！　ぶった切りんちょですわー！

　急なテンション菜の花ごめんあそばせ。んでは、フライパンにオリーブオイルをしきまして、具材を炒めていきましょう。ちなみにこちら、本場ではオリーブオイル煮にするんだそうですの。彼の国の御方々のこってり顔はオリーブオイルでできていますの？　なんでガロンで売るし買うしストックするん？　

　火が通るあいだに卵ですわ。これ初心者は多めにするのがオススメでしてよ。塩を振ったらシャカシャカかきまぜ！　白味を切るようにスラッシュ！　七輪で何かを焼くときのお団扇感覚でリストを使うと素早くできましてよ！　かき混ざったらー、炒めてた具材を卵にイィィィン！　からのちょい絡めフライパン戻し！！

　こっからはスピードと気合が大事でしてよ！

　とにかく卵がフチから固まりますので、ちょいちょい木べらやらで崩して固めていって、でも内側が固まりきらないうちに大皿をフライパンにかぶせますの！　したらば、わたくしのマグニフィセントな膂力をもってひっくり返しますわー！　

　んんんんんぅ、パワー！！　――ハッ！

　フライパンがアチアチですのですぐ戻して、今度は皿からフライパンへとノータッチ・トペ・スイシーダでしてよー！！　パワー！　――は、もういいですわね。いっつまいらー、のリズムで鍋をくるくる揺するとフチが丸まっていきますの。にゃおんねーばー、ですわ。うにゃむにゃりぶふぉー！　えーゔぁー！　ですわ。

　あと忘れちゃったっりぶりぶっつ！　まい！　らー！　ですの！

　できましたわー！　菜の花のトルティージャですわー！！

　お味は……まあ工程を見ていただければ分かるとおり小麦粉抜きのお好み焼きって感じでしてよ。じゃがいもが入っているのでお腹の膨れ具合も同じくらいですの。ただ、ソースは……どうなんでしょう？　意外と合うかもしれませんし、

　情熱をもってお試し遊ばせ！！

※ワンポイントスペイン

　水木一郎さまがお亡くなりになりましたので、ご冥福をお祈りしてピザパスタピザの歌を紹介……しようと思ったけどこれイタリアでしてよ！？　す、スペイン！　スペインといえば……バルセロナ近くにマジンガーZの像が立っていますの！　放送当時は視聴率八十パーセントを記録したこともあるそうですわ！　……え、すご。