出発
「決まったのかのぅ?」
ワシは甲冑を脱ぎ普通の格好した女の前にいる。
「決まった、お前に着いていく。
そして強くなりティアラを取り戻す。
そのためならお前に私の全てをやる」
「左様か、お主も分かっている通りお主の力はほとんど限界を迎えておる。
それを解決する方法はあるが今はちと事情があってそれはできん。
それでもよいか?」
今は無理、全て彼女次第。
「構わない。この前聞いたあの男の強さに近づける可能性があるなら」
フィーライヌの仇であるダマラスキは強い。
奴はある存在と契約して人間とは思えない力を得た。
まあワシより弱いけど。
「だがその解決法を聞いてもいいか?」
「うーんいいじゃろう。
実は、、、」
ワシは素直に話した。
ワシは宿に戻りリリスと酒を飲んでいる、
ワシの頬には前にレベッカにやられたような赤い手形がある。
「ねぇ、ゴンベエ。あと何人増やすのかしら?」
「そうじゃのぅ、リリスは何人増やして欲しいんじゃ?」
「そうね、もう増やして欲しくないわね。
というか減らしてくれないかしら?」
「それはできんのぅ。
皆自分の意思でワシに着いてくることに決めているからのぅ」
「そうなのよね、はぁ。
なんかもっと増えそうな予感がする」
「増えるのぅ、あと一人」
「え?」
「ほれリリスが焚きつけた男がおったじゃろ、あの男が最後の一人じゃよ」
「そんな男いたかしら?
まあ女じゃなければいいわよ。
ゴンベエやっぱりレベッカじゃなくて初めてはわたしにしない?」
リリスは抱きついてきて言う。
「すまんのぅリリス。
ワシは決めたことは必ず守る男なんじゃ。大人しく待っていたらいいことあるぞい」
「本当に?嘘ついたら怒るからね」
「怒ったリリスも見てみたいのぅ」
「もう、ゴンベエったら嫌い」
そう言いながらもワシの湯呑みに酒を注いでくれる。
明日この街から迷宮都市に向かうので各々好きなことしている。
レベッカは竜車を借りに、クレアとアルミール殿は領主の家に。
フィーライヌは怒ってどこかに行ってしまった。
「リリスは行きたいところはなかったのかのぅ?」
「ないわよ、この街はレベッカに案内されてほとんど見て回ったし、ゴンベエがいる所が私のいる所よ」
「可愛いことを言ってくれるのぅ」
リリスの頭を撫でてキセルで一服する。
明日からの旅が楽しみだ。
明日になりレベッカの借りた竜車の前に来た。
その場所にあの男が来た。
「おっす!兄貴に姉御達!
今日から俺が竜車の御者をしますバリールです!
よろしくお願いします!」
「バリールちゃんと練習してきたのかしら?」
「へい!これを見てください」
バリールは何かの紙を出してきた。
「これは一級御者の証明書じゃない!」
リリスはびっくりした顔をしている。
「へい!このぐらいじゃないと皆様を安心して乗せられませんから!」
「リリス、一級とはすごいのかのぅ?」
「すごいわよ!この国で百人もいないのよ!
バリール!どうやってこれを手に入れたの?」
「Aランク冒険者ですからツテはありますよ。そのツテを使いなんとか。
あっもちろん試験はちゃんと受けましたからご安心下さい」
少し焦ったようにバリールが言った。
「えーと兄貴一応皆さんのお名前とか教えて欲しいのですが」
「皆この男に自己紹介してくれんか?」
「いいわよ!
私の名前はレベッカCランク冒険者よ!
格下だからって馬鹿にしないでよね!
私はゴンベエの庇護下にあるんだから!」
レベッカが腰に手を当てて言った。
赤い髪を後ろで一つにまとめ、赤色の目は大きい。
顔は少し幼さが残っている。
アイテムボックスという稀有なスキルを待った子。
体つきはここにいるおなご中で一番お尻の形がいい。
胸は二番目に大きい。
「へい!分かりやした!」
「よろしい!」
「じゃあ次はわたしね。
よく聞いておきなさいわたしはゴンベエの女よ。手を出したら貴方は殺されるなら気をつけなさい」
睨みつけるようにリリスは言う。
腰まで紫色の髪と黒い瞳を持つ彼女は色っぽい。服装も大胆で男達の視線を独占する。
胸は一番大きく、お尻も大きい。
「承知してやす」
「次は僕かな。
僕はアルミール・サンジェシカ。
この街の領主の子供だ。
将来僕はゴンベエのお嫁さんに行くことになっているから」
剣の柄を握りアルミール殿は言う。
茶色の髪は短く、ぱっと見では男性に見えてしまう。だが目は美しい青色をしていておなご特有の柔らかい目をしてる。
アルミール殿は細身だが美しい筋肉の持ち主だ。
「領主のお子さん!
もちろんです!失礼のないように対応します!」
「わたくしの番ですね、
わたくしはクレア。ゴンベエ様に恩を返す者です。
バリールさんよろしくお願いしますね」
優しい笑顔してクレアは言った。
リリスくらい長い緑色の髪を三つ編みにして左前に流している。
目は蒼くとても澄んでいる。
少しふくよかでリリスと並ぶくらいの大きさ。
この前転びそうになったので抱きとめた時とても柔らかかった。
「へい!よろしくお願いします!」
「次は俺だな。
俺はフィー。
あまり関わるな」
威圧するようにフィーライヌは言った。
甲冑を脱ぎ、肩まで伸びている金色の髪と、青い色の目。
目つきは鋭い。
体はこの中で一番筋肉質だが、胸もお尻もそれなりに大きい。
本人は邪魔だと言っているが。
「へい!
これで全部ですかい兄貴!」
「いやもう一人いるんじゃが、こんのぅ。
リリス?」
「えーと少しやりすぎちゃって。
来ないかも?」
申し訳なさそうな顔をして言った。
「ゴンベエ様!お待たせしました」
ハム殿が縄で誰かを縛りこちらに向かってきた。
「ハム殿、縛られているのはアルサ殿じゃな?」
「はい!何故か行きたくないって我儘を言いましたので無理矢理連れてきました!」
「んーんー!んーん!」
口も塞がれているアルサ殿が何か言っている。
「ゴンベエ様、気にせずアルサさんを連れて行ってください!」
「んーん!んんんんん!」
アルサ殿はリリスを見て何かを言っている。
「アルサちゃん、我儘言ってないで聞くわよね?」
「んん!」
「ゴンベエ大丈夫よ。アルサちゃんはわたしに任せて」
「リリス、ほどほどにのぅ」
「はーい」
「バリール、彼女はアルサ殿じゃ、
一応この馬車に乗るから後で挨拶するといいぞ」
アルサ殿は黒髪に金色の目。
眼鏡をしていて一瞬では分からないが、よく見ると目には紋章のような物がある。
身長はこの中で一番高く、ワシと同じくらい。
アルサ殿は細身だ。
だかしなやかな身体をしている。
所作がとても綺麗。
「へい!」
「じゃあ皆の者迷宮都市にいくかのぅ」
迷宮都市までは二週間かかる。
気長に行くことにしよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます