商人

「ハム殿良かったのぅ」


「ゴンベエ様のおかけです!

私が所属していた商会はこの街から追い出す事ができました!


すべてゴンベエ様のおかげです!」


「ハム殿の手腕のおかげじゃよ。

ワシはただ素材を売っていただけじゃ」


「とんでもない!ゴンベエ様が私の商会だけに売ってくれたからですよ!

もうこの街ではハム商会の独壇場ですよ!

もう笑いが止まりません」

ニヤニヤしているハム殿が言った。


「ハム。いえハム会長流石にその顔はダメだ。それに少し太ったな。

ハム前から言っているが調子が良い時が一番危ないんだ!

いいか、この街で商会を開きたい奴は沢山いるのを王都の本部で抑えてたんだ。

それの後ろ盾がない今新たな商会がこの街に来る可能性がある!

分かっているのか!」


「支店長じゃなくてアルサさん。

分かっています。少しお酒を控えてこれから来る敵に備えますよ!

そこでゴンベエ様にご相談なんですが、

ゴンベエ様は迷宮都市に行くんですよね、どうにか素材を私共の商会に売ってくれませんか?

というか素材を送ってくれる方法ありませんか?」

手をごますりしながら言ってきた。


「あるのぅ」


「本当ですか!是非!是非!」


「ゴンベエ殿、それは本当か!これは素晴らしい!

待てよ、もしかするとこの世界を変えるかもしれん!」


「そこまで大袈裟なことじゃないだろう。

ほれハム殿」

ワシは余っていた袋を渡した。


「こ、これはまさか!」


「次元袋じゃ。

ワシが改造してワシの次元式からそこに素材を送る事ができるんじゃよ」


「待ってください!

まさかこの袋はゴンベエ殿の袋と、、」


「同じじゃ」


「うひょー!

これでハム商会はこの国一の商会になります!」


「ハム、じゃなくてハム会長どういう事だ?

その袋はなんなんだ?」


「支店長じゃなくて、アルサさん。

この袋は次元袋といって、

生きている物以外の物を無限に入れる事ができ、入れている間時間の経過はしません。


まさに商人が持てば最強のアイテムです!」


「そ、それは本当か!

ゴンベエ殿!ぜひ私のも、私にもくれないか?」


「そうじゃのぅ、あげても構わんが見返りはなにかのぅ?」


「もちろんこの身をあげよう!」


「ほう。ならば当分お預けじゃな」


「なんでだ!」


「レベッカを抱くまで他のおなごは抱かないと決めておるのじゃよ」


「おなご、ああ女だったか。

こうしてはおれん!」

アルサ殿は急いで会長室と呼ばれる部屋から出て行った。


「ゴンベエ様も厄介な人に目を付けられましたね」


「ん?誰のことじゃ?」


「アルサさんですよ。

アルサさんはたった一人でこの街に来て自分の店を大きくしました。

その功績を評価した前にいた商会にスカウトされたんですよ。

本部は悔しがっているでしょうね、あの人を手放すのは商会にとって大損害ですからね」


「それで厄介とは?」


「生粋の商人なんですよ。

儲かると分かるとどんな手段でもとります、

もちろん犯罪のギリギリ大丈夫なところを。

そしてあの美貌ですから商談相手は大抵イチコロですし、それが通じない相手には相手の弱みを握りそれをネタに脅します。

脅された者達は衛兵に通報することはできません。

あの人のつかんだ情報は周りに言えないものばかりです。

ゴンベエ様も気をつけて下さい」


「ほう、じゃから最近ワシの周りに変な男共がいる訳じゃな」

アルサ殿にあった日から、ワシの周りにガラの悪い男共がいるのは気づいていた。


「気づかれましたか。

おそらくそろそろ動きますよ」


「ハム殿はアルサ殿の上司なんじゃろ?

言って良いのか?」


「今は部下、でも尊敬した上司ですからね。

死んで欲しくはありません」


「じゃから今日同席させたんじゃな。

ハム殿はなかなかの策士じゃな」


「そんな、これしか可能性がない気がしましたので。それに彼女はゴンベエ様の強さを知らないですから。

ゴンベエ様のどうかお手やらかにお願いします」


「あいわかった」

この後少しだけ話、商会から出た。


歩くと後ろをついて来る男達がいるのが分かる。

さて、お仕置きを始めるか。


「さて何故ワシについてくるんじゃお主らは?」


「何だ気づいてたのか。

簡単な話だ、次元袋っていったか?それをあるだけ出してもらおう。そしたら無事に帰してやる」

裏路地に行きわざと囲まれた。


「ほう、誰の指図かな?」


「私だ、ゴンベエ殿悪く思うな。

ゴンベエ殿の持っている次元袋は商人にとって魅力的すぎる。

ハムを救ってくれたから酷い目には合わせたくない。

この子達は私の私兵団、

私の一言でゴンベエ殿に危害を加えられる。


悪いことは言わない、素直に差し出してもらおう」

男達の中から彼女が現れそういう。

アルサ殿だ。


「かっかっかっかっ!

面白い、ワシに何かできるようなら素直に渡そう。

さぁかかって来い!」


「残念だ。

お前達死なない程度に痛めつけろ」

男達は頷き手に持っている刃が潰された剣と、棒を持ちこちらに向かってきた。


ワシには無防備にそれを受け続けた。


「もういいのかのぅ?」


「はぁ、はぁ、はぁ、姉御こいつ傷一つついてやせん。

どうしやすか?」

殴り疲れた男が言った。


「はぁ、ゴンベエ殿残念だ。

お前らスキルと武器を使いな!」

また男共が刃の潰れてない剣と金属の棒、そして何かしらの力を使い攻撃してきた。



「それでもう終わりかのぅ?」

攻撃してきた男共は意識を失い倒れている。


「ゴ、ゴンベエ殿。これは手違いがあったようだ。ここはお互い水に流そう」


「それはできん。本来ならワシが調教するんじゃがレベッカに禁止されておってのぅ。


リリスおるんじゃろ?」


「ええいますわよ。その人が怪しい動きをしてたから気になってね。

わたしを呼んだということはそういうこと?」

暗闇からリリスが出てきた。

リリスは最近隠れてワシの周りにいた、盗賊として生きてきたので気配を消すの得意。


「そういうことじゃ。

アルサ殿流石にやりすぎじゃ。

リリス任せたぞ」


「え?リリス殿何をする気だ!

やめ、そこはだめだ!

だ、あっ」

ワシはその場から離れる。

流石に見られるのは恥ずかしいだろうから。


さて、あの子のもとに行こうかの。

どうするか決めた頃だから。

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