ダンジョン

「えーとゴンベエ様あれがアルサさんで合ってますよね?」


「そうじゃ」

クレアに聞かれたので答えた。


「あははははは!

ほら来いよ来いよ!まだやり足りねーぞ!

俺様をもっと楽しませろ!」

笑いながらダンジョンの魔物を倒しているアルサ殿がいた。




ワシ達はまず朝に冒険者ギルドに向かい冒険者じゃないリリス、クレア、アルサの冒険者登録をしに行った。


「おいあいつらだぜ暴虐の竜を倒した奴ら!」


「マジかよ!女だらけのパーティーだぞ!

しかも子供連れだし」


「マジだよ!なんでもあの金髪の女が一人で倒したらしい、そして唯一男のあいつは障壁を張って暴虐の竜の攻撃を全て防いだらしい」


「暴虐の竜の攻撃を防ぐって化け物かよ!」


「くそー!そんな男と女がいなかったらあの色っぽい女に声かけられたのに!」


「お前じゃ相手にされねーよ!

俺は赤い髪の女が好みだな!」


「俺は水色の女の子だな」


「え?」 「え?」 「え?」


「バカちげーよ、一番年上の女の子だよ!」


「びっくりさせんなよ!成人前の女の子はだめだろ!」


「分かっている!だがあの子は成人しているからいいだろ」


「いや分からないぞ?もしかしたら成人前かもしれん、発育がな」


「大丈夫だきっと成人している!成人してなくてもきっと合法だ」


「なあ俺こいつとパーティー解散しようかな」


「俺もそう思った」


「おい!なんでだよ!」

冒険者ギルドで赤色と黄色と青色の男達が話していた。


「ローニャ落ち込む事はない、お主はこれから成長するからのぅ」

栄養が足りなくて貧相な身体をしているローニャが俯いていたので、頭を撫でて上げる。


「本当ですかゴンベエ様」


「本当じゃ、戸惑うかもしれんがこれからお主の身体はとんでもないことになる」


「少し怖いです」


「安心せい、皆が相談に乗ってくれるわい。

特にリリスがな」


「リリスお母さんが?」


「そうじゃ、女性に関してはリリス以上に知る者この中でおらん。

ワシが教えても良いが恥ずかしいじゃろう」


「そ、そんなことはありません」


「よいよい、分かっておるからのぅ、

何かあったらリリスに相談しなさい。

カリンものぅ」

カリンは遠慮せずに沢山食べるので一番発育が良くなってきた。


「はーい!というかすでに相談してるよ!

奴隷商にいた女の人がよく肩が凝るって言ってたけど本当に凝るんだね」

カリンは胸を手で持ち上げて言う。


「こらカリンダメでしょ!

ここは変態が沢山いるんだから!」


「ごめんなさいリリスお母さん」

カリンは一番リリスに懐いている、頭の回転が速いからリリスがどれだけ自分達のことを思っているか分かるのだろう。


ローニャはまだ疑っていて誰にも懐いてない、ただワシに縋っている。

そうしないと妹達が捨てられる気がするから。

だから夜伽もできない貧相な身体に焦っている。


「リリス終わったんじゃのぅ」


「一応Cランク級だったわ」


「そうじゃろうのぅ。お主は経験豊富じゃから」


「まあね、人を何人も殺している汚れた、、レベッカ今のは冗談だからその手をやめてくれるかしら?」


「今回は途中でやめたから許してあげるわ!

リリス!次は本気で怒るからね」


「ごめんなさいレベッカ」

きちんと謝ったリリスの頭をレベッカが撫でた。

この話題になるとリリスはレベッカに勝てない。


「ゴンベエ様わたくしもDランク級でした。

すみません」


「クレアの魔力は少ないからのぅ、安心せい魔力が多ければ強いわけじゃないからの」


「はい、わたくしはゴンベエ様を信じております」


「クレアはいい子じゃのぅ。

アルサ殿は何度見てもその色は変わらんよ」

ギルド証を何度も見返している。


「ゴンベエ様、私のギルド証がAランク級なんですけどこれは故障ですか?」


「いやそれは本当じゃ」


「今は破棄されていますけど前に作ったギルド証はFランク級でしたよ?」


「当たり前じゃ、お主がリリスと会わなかったからのぅ」


「わたし?」


「そうじゃ、リリスの持つ厄運がアルサ殿の性質を本物にしたんじゃよ」


「性質ですか?それは?」


「ダンジョンに行けば分かるぞい」


子供達はフィーライヌとレベッカに預けてダンジョンに行く。

レベッカはCランク冒険者、フィーライヌはAランク冒険者なのでCランクダンジョンのまでフィーライヌとお留守番。


そして冒頭に戻る。


「僕は驚いている。

あれは本当にあの商人の姿か?」


「アルミール殿あれは商人のアルサ殿ではない。


狂戦士として覚醒したアルサ殿だ」


「狂戦士?」


「アルミール殿や皆も知ってる通り、アルサ殿は商人としてあらゆる人格を演じてきた。

ワシも最初あった時アルサ殿は凛々しい女性を演じていた。


つまり彼女は常に抑圧された状態だったんじゃよ。

そしてリリスの厄運と触れ合った時彼女の本能が目覚めたんじゃ、

己を解放したいと。

あれが本来のアルサ殿じゃよ」


「はっはっは!ほらほらほら!

死ぬんじゃねーよまだ楽しんでねーだろ!

つまらねーな!おいゴンベエ!

今度はお前が俺様の相手をしろ!」

槍を持ったアルサ殿がワシに向けて走ってきた。


「アルサお座り!」


「はい!」

リリスに言われたアルサは正座した。


「お手」


「はい!」


「おかわり」


「はい!」


「アルサわたしは?」


「ご主人様です!」


「じゃあゴンベエは?」


「ご主人様の旦那様です!」


「じゃあ今何したか分かる?」


「えーとあのーごめんなさい」

しゅんとしたアルサ殿が言った。


「クレア、あれがお主が中衛の理由じゃ」


「理解しました。狂戦士のアルサさんを抑えることができるのがリリーだけなのですね」


「そういうことじゃ、じゃがリリスも少し感情的になる癖があるからのぅ、クレアには二人の調整役をして欲しいんじゃ」


「分かりました、だから接近戦も中距離も遠距離もできるわたくしが中衛なんですね」


「そうじゃ、それにアルサを抑えられてリリスに最も信頼されておるからの」


「ありがとうございます。

ですがリリスに最も信頼されているのはゴンベエ様では?」


「男と女の信頼は全く違うじゃろ。

まあ男として信頼されているのは嬉しいがな」


「わたくしも信頼しておりますよ」

クレアは抱きついてきたので抱きしめた。


「クレアは愛い奴じゃのぅ。

さてクレアもそろそろ戦闘させんとのぅ」


「はい!いつでも大丈夫です」




「ねぇゴンベエ、アルサでも驚いたけどアレは本当にクレア?」


「そうじゃ」

リリスに聞かれたので答えた。


クレアの周りには何もできない魔物がいる。

クレアはスキルにより次の動きを計算しそこに矢を放つ、魔物は知らずにそこに行き絶命する。

だからクレアに近づく前に全ての魔物は討伐された。


「今のうちにリリスに教えてあげるかのぅ」


「呪術?」


「そうじゃ」

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