一つ目

「ほう、まさかそちらから会いにくるとは」

朝早くワシの足元に変な模様の光が現れ、ワシは変な空間に移動された。

そこにはアンドレの兄上であるデールの嫁がいた。


「あら次期王妃に向かってそのような態度を取るとは無礼者ね」

女狐は南蛮風の扇子で顔を隠して答える。


「ほう、アンドレが国王になるはずじゃが?」


「あんな御坊ちゃまには無理よ、わたくしのように美しく誰よりも優れた知性を持った人間でないと」


「美しいのぅ、一体何人の女を犠牲にしたんじゃ?」

女狐の後ろには負の感情を持った何人もの女子がいた。


「、、、、何のことかしら?」


「かっかっかっかっ!惚けるのが下手じゃのぅ、魂を見れば分かるぞい。お主が何百年も前の人間だと」


「あの方の言う通り貴方は危険ね」


「遂にあの者と繋がったか」

そろそろだと思ったが思ったより早かった。


「そうよ、あの方は素晴らしいわ貴方も会えば分かるわよ。まあ会わせないけどね」


「そうじゃろうのぅ、じゃからこんな結界の中に閉じ込めたんじゃから」

ワシの周りには何十もの結界が張られていた、産まれたばかりのリエデーネクラスなら出られないほどの強力な結界。


「ええ、貴方は一生ここから出られないわ、あの方に喧嘩を売った貴方が悪いのよ」


「かっかっかっかっ!そうじゃなワシが悪いな」

神クラスを捕縛するほどの結界を用意した事に笑いが込み上げる。


「そうよ、じゃあわたくしはこれから行われる祭典に向かわないと行けないからじゃあね」


「お主それでよいのか?」

この空間から出られる入り口を出し、そこに行こうとする女狐、いやおなごに問う。


「何がよ?」

おなごは足を止めて答える。


「元聖女のお主はそれでよいのかと聞いておる」


「はぁ、貴方には分からないわよ。新しい聖女が現れて強制的に力を奪われた。残ったのは何も無かったわよ、家族も村も信者も。

わたくしは一生懸命この国に尽くしてきたのに、、、だから今度はこの国がわたくしに尽くすのよ!」


「お主が望むなら記憶を消し、新たな人生を送らせてやるぞ?」


「もう遅いわよ、わたくしの身体はもう汚れています。あの頃には戻れません」

涙を一筋流しておなごは空間から消える。


「ワシはそう思わんがのぅ」

キセルを取り出しながらワシは消えたおなごに答える。


「どれ、作戦は皆に伝えてあるから大丈夫じゃろう。ワシはあの者が出てくるまでゆっくりしようかのぅ」




ワシがキセルで一服している頃、王都では大変な事にが起きていた。


「ふふふ、本当に謀反を起こすなんて馬鹿な連中ね」

リリスが王都の騒ぎを見て言う。


「そうねリリス、まさかゴンベエの手のひらの上で踊らされているなんて思わずに」

レベッカはリリスに同意した。


「そうだね、じゃあ僕はみんなを守りに行くから」

アルミは俺にウインクして部屋から出て行く。


「わたくしは子供達を御世話しますね」

クレアは子供のローニャ達がいる場所に向かった。


「フィーヌ大丈夫?」


「大丈夫だ、今日決着をつける。ティアラを取り戻す!」

レベッカは心配そうに聞いてくるので即答した。


「わたくしも過去に決着をつけますね」

ファルは俺と同じように決着をつけるらしい。


「我は国王と呼ばれる存在を守りに行きますね」

オロチはスケさんの命令で国王ならび王太子を守るらしい。



「じゃあみんな!ゴンベエの指示通りに!」

レベッカが叫んだ。


王太子の部下であるバチスタの案内で王城の中に入る。

王城は謀反を起こしたダマラスキが率いる軍がオロチに翻弄され、身動きできなくなっている。そしてオロチにアイコンタクトして引いてもらう。

そしてやっと奴の目の前に来た。


「久しぶりだな」


「誰だお前は?」

眉間に皺を寄せて奴は答える。


「ふっやはり時が経てば忘れるか、

私の名前はフィーライヌ・テオストーラ!

お前が陥れたライアンの娘だ!」


「ライアンの娘だと!何故ここにいる!」

目を見開き答えた。


「決まっているだろう、妹を返してもらう!」


「ふっどうやったかは知らないが記憶を取り戻したようだな、いいだろう取り返せるものならばやってみろ!」

ニヤリと笑いかけ、剣を抜き俺に向かってきた。

思ったことは遅い、アルミやレベッカと鍛錬をしていた俺の目は成長したのだろう。

擦れ擦れで剣を躱し、柄でみぞうちを叩く。


「ばかな、、、」

痛みで四つん這いになった奴は言った。


「この程度か。子供の頃見たお前はもっと強かったと思ったが。

そうか、地位にあぐらをかき鍛錬を怠ったな」


「だ、黙れ!こうなったらこれを使ってやる!」

ポケットから瓶を出し黒い玉を飲み飲んだ、

そして身体が真っ黒に染まり、三メートルほどの大きさになった。

目は全て真っ赤に染まり、口から二本の牙が生え、腕は四本生えている。

さらに頭部には三本生え、尻尾も生えている。


「スケさんの言う通りになったな、その姿はまるで魔物だ」


「カッカッカッカッ!コウナッタオレハトメラレンゾ!」


「その笑い方はダメだ、それはスケさんの笑い方、お前程度が使っていいものじゃない!」

癪に触ったのでスケさんに教わった力を出す、スケさん曰くこの力は俺しか使えないらしい。

俺は黒と赤い色が混じり合ったオーラを纏い、向かってくる奴を一閃した。


「何故だ、何故俺がやられる、、、」


「当たり前だろ、俺はスケさんの女だ。

お前程度の男に負けるわけにはいかない」


「誰だそいつは、まあいい。

いいのか?俺が合図をすればお前の妹は死ぬぞ?」


「ふっやはりそれを言ったな。スケさんが気付かないと思ったか?これを見ろ」

足元にあるお花を指差した。


「何だその花?」


「これは俺の仲間がティアラを助けた合図だよ。つまりもうお前を殺さない理由はない」

エリナーデがティアラを保護したようだ。


「ま、待て!そうだ騎士団長の座をお前に渡そう!父親と同じ立場になれるんだ!

なぁ殺さないでくれ!」


「そんな立場なんていらない、俺が欲しいのはお前の命だ!」

俺が剣を振り下ろすと泡を吐いて気絶した。

剣は寸止めだ。




「スケさんとの約束だ、今は殺しはしない」

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