二つ目

「本当に来たんだな」

我が主の言われた通りの場所に行くと、見知った男がいました。


「ええ、神託を受けて来ましたよ元団長」

パトスは団員を連れずに来ました。


「今日はあの男と一緒にいないのですね?」


「我が主は野暮用があるようで、わたくしはお前の相手を任された」


「情けない男ですね、恐ろしいからと逃げだすとは」


「パトス、、、最後に忠告しておく。

お前が信じている神は偽物だ、目を覚ませ」


「目を覚ますのは貴方ですよ元団長!」

剣を抜き、殺意をこもって目をしてわたくしを見てきました。


「そうか、もう救えないんだな。

銀翼の名のもとにお前を断罪する!」

わたくしも覚悟を決めて剣を抜き、殺す覚悟を決めます。


「できるものならやってみろ!」


「できるに決まっているだろう。わたくしを誰だと思っている。我が主が現れるまで迷宮都市で最強だったんだぞ」

決着は一瞬だった、銀騎士となったパトスを上半身と下半身が真っ二つにするように一閃しました。

辛うじて意識を保っているパトスに言います。


「そう、でしたね。でもこれで終わりじゃあり、ません」


「何故そこまでするんだ?」

たかがスキルに何故そこまで心酔するか疑問でした。


「キマッテイル!ワガカミノコトバダカラダ」

パトスの姿はもう無いあるのは化け物と化した姿がありました。

下半身は上半身に取り込まれ、オーガのような巨大な顔と、その大きさと同じ右手と左手だけになりました。


「哀れだな、その魂を浄化しよう。

『銀翼』」

わたくしはユニークスキル銀翼を発動し、パトスを切り刻みました。


「く、くくくく、やはりその身体は我が神に相応しい。我の全てを贄に捧げる!我が神よ降臨せよ!」

パトスはそう言うと黒く光り輝き姿を変えました。


「ふぅ、やっと会えたね僕の依代」


「そう、貴方がパトスの神なのね」

見た目は青い髪に青い目、ヴラ様と同じような見た目の少年です。


「そうだよ、本当ならこの子の生贄なしで降臨して君の身体を僕のものにしたんだけどね、君の主のせいで計画が崩れたんだよ。

まあ僕からしたらどっちでもいいけどね」


「嘘だな、本当は煮えたぎるほど怒り狂っているんだろ」


「、、、、随分と余裕そうだけど、今から君は身体を僕に奪われるんだよ?」

少し不機嫌そうな顔をして言われました。


「本当に滑稽だな、我が主がお前が降臨される事を予想されてないとでも?」


「君こそ滑稽だね、君の主は僕の作った空間に閉じ込められているよ。もう一生出られない空間にね」


「ふふふ、すまないなあまりにもお前が可哀想で笑いが込み上げてしまった」

あまりにも馬鹿げた話に堪えられませんでした。





そうじゃな、あの程度でワシを閉じ込めると思っているとは」

わたくしの後ろから我が主の声が聞こえました。


「何故貴様がここにいる?」

さらに不機嫌そうに我が主に聞いてきます。


「普通に結界を壊して普通に出て来たんじゃが?」

我が主は飄々と答えます。


「そんな馬鹿な!結界が壊されれば僕は分かるはずなのに!」

自称神は焦ったように叫びました。


「かっかっかっかっ!やはり紛い物は紛い物じょのぅ、この程度の幻術に引っかかるとは」


「幻術?まさか『解』なんだこれは」


「まさか王都ではない場所にいるとはは思わなかったようじゃな」

そうこの場所は王都ではなく、わたくし達は王都から随分遠くにいます。

「この僕をどうやって騙したんだ!」


「簡単じゃよ、ワシと巴殿の合作で幻の世界を作ったんじゃ。まあほとんど巴殿じゃがな、お主程度を欺くのは簡単じゃったぞ」

我が主が言うトモエ殿は分からないが相当な実力者です、わたくしでも言われなければ分かりませんでした。


「くそが!何故貴様はそこまで俺様の邪魔をする!」

少年の姿が乱れ、化け物の姿をしています。


身体は黒く、目は全て赤い。

身長は二メートルほどで、我が主と同じくらいのガタイをしていました。

さっきまでの圧とはまるで違う恐ろしい圧を感じます。


「決まっておるじゃろう、お前が拙者の逆鱗に触れたからでござるよ!

妖術『幻界』」

我が主は自称神と共に消えました。


「ふぅ、我が主、、、、死ぬかと思いました。最後の殺気が主の本当の殺意なのですね」

人生で初めて死にたいと思いました。


「ファルシー大丈夫ですか?」


「うわっアルサ様ですか、驚かせないでください」

わたくしの気配察知に引っ掛かる事なく現れたアルサ様に驚きました。


「ごめんなさい、ただファルシーが剣を首に当ててるから止めようと思いまして」


「あっすいません、完全に無意識でした。

止めてくれてありがとうございます」

どうやら本当にわたくしの身体は死ぬつもりだったようです。


「いえ、流石に止めないとダメだと思いまして」


「アルサ様、、、、何故ここにいるんですか?」

ここは我が主とトモエ様という方が作られた空間、普通の人はいないはずです。


「これはやらかしたでありんす、まあこの前レベッカにバレたから大丈夫そうでありすんね」

アルサ様は別人に変わりました、その姿はまるで、あの種族。


「えーと、アルサ様、、、いえトモエ様は妖狐ですか?」


「流石神の依代になるほどの人物でありんす。そうでありんすよ、わっちは妖狐でありんす、どうするでありんす?」


「どうも致しません、我が主が何もしないという事はトモエ様は主の害にならないということです。


ですが依代とはどういう事ですか?我が主もそのような事をおっしゃられてなかったので」


「それは、、、」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る