剣神

「ここが山の民の里か」


「あらお客様でありんすか?」

空から金ピカの鎧を身に付けている男が降ってきたでありんす。

髪は金色で右目は青色、左目は緑色のオッドアイ、おそらく左目は魔眼でありんす。


「ん?妖狐かお前!これはいい手土産になりそうだな!」


「手土産でありんすか?」

予想通り左目が怪しく光り、わっちを鑑定したでありんす、ぬしに聞いたところ、わっちに似た狐族と言う種族もあると聞いたので、鑑定しない限り一瞬で気付きはしないでありんす。


「君主は珍しい種族を探しているからな!それに女好き!これはぴったりの手土産だぜ!」


「いいでありんすよ、手前がわっちを倒せたら好きにするでありんすよ」

わっちが宣言すると男は剣を抜き、寸止めしようとしている剣を無理やり掴んだでありんす。


「ほう、中々やるじゃねーか!これは無傷で捕らえるのは無理か!まあいい、死ななきゃあいつに治してもらえるからいいか!

手っ取り早く終わらせてやる!


ラーブライト流『Stab』』」

男はわっちを殺さないようにする為、右肩を狙って、剣を回転させ刺突してきたでありんす、わっちは普通に剣を掴み、剣の回転と剣そのものを止めたでありんす。


「くっ!返せ」


「どうぞでありんす」


「なるほど、低レベルな技じゃ傷一つつけられないって事か。

いいだろう、どうか死んでくれるなよ!

ラーブライト流『UP』」

男は銀色に光り輝き、先ほどの攻撃より速くい剣をわっちから見て右から左に横薙ぎした、それを右手の甲で弾くと、男は回転して次は左から右に横薙ぎしたので今度は左手の甲で弾いたでありんす。


次は縦に回転して上から下に振り下ろしてきたので左手の手の平で弾く、そして縦に逆回転して下から上に振り上げてきたのを同じ手で弾いたでありんす。

それを右斜め、左斜めも同じように繰り返し、どんどん速さが上がり、威力も上がってきたでありんすが、わっちの手を傷つける事はできなかったでありんす。

四半時ほど経った時、男は止まったでありんす。


「終わりでありんすか?」


「はぁ、はぁ。テメェ何者だ?何故剣神である俺の剣を素手で止められる!妖狐だからってそんな力ないだろう!」

高速で動き続けた男は息を荒くし、聞いてきたでありんす。


「忘れたでありんすか?妖狐は絶滅したでありんすよ、わっちは[七星剣]に封印された最後の妖狐。


暴虐の魔王でありんす」


「、、、、、」


「どうしたでありんすか?そんな絶望を体現している表情をしているのでありんす?

あと逃げないで欲しいでありんすよ、わっちが疲れるでありんす」

男は尻餅をつき、後ずさっているでありんす。


「や、やめてくれ」


「その反応はわっちの事を少しは知っているでありんすね」


「や、やめろー」

にやけるわっちの表情が怖かったのか男は、来た時のよううに空を飛び逃げて行ったでありんす。


「わっちは少し遊んで来るでありんすよ」

見ていた山の民に言った後、男が飛んで行った方角に歩き出したでありんす。


「はぁはぁはぁ、ここまで逃げれば大丈夫か」


「どうでありんすかね?」


「っ!ど、何処だ!何処にいる?」

わっちの声に焦った男はわっちを探しているでありんす。


「こっちでありんすよ」


「そっちではないでありんす」


「上でありんす」


「後ろでありんす」


「実はここにはいないでありんす」


【手前の中にいるでありんす】

わっちは遊ぶようにいろんなところから声が聞こえるようにしているでありんす、最後のは頭の中に直接聞こえるでありんす。


「はぁはぁはぁ、もう嫌だ!なんで俺がこんな目にあってるんだよ!俺はリーメイト共和国の剣神トライト様だぞ!

そうだ、妖狐なんていなかったんだ!幻覚を見たんだ。よし、山の民の里に戻ろう!」


「無理でありんすよ、もうここはわっちの結界の中でありんすから」

空を飛びそうなったでありんすから姿を見せるでありんす。


「ひぃ!そ、そうだ欲しい物はないか?俺はリーメイト共和国でそれなりの地位なんだ!望むだけ差し上げるので見逃してくれ!」


「そうでありんすねぇ、じゃあわっちを楽しませてくれたら見逃してもいいでありんすよ?」

わっちの出現に恐怖した男はまた尻餅をつき、何やら言ってきたので乗ってあげることにしたでありんす。


「た、楽しませる?分かった俺は何をすればいい?」


「決まっているでありんす、的でありんす」


「的?」


「『鬼火』」

わっちは緑色の炎出現させ、男に向かわせたでありんす。


「うわっ!」


「それでいいでありんすよ」

男が逃げるように避けたのを見て、わっちは嬉しくなり、鬼火を次々と出現させ男に向かわせたでありんす。

わっちは口角が勝手上がるのを感じたでありんす。



「トモエ姉ちゃんお帰り!夕食だよ!」


「今日は油揚げでありすか、嬉しいでありんす」

里に帰るとカリンがスープの上に油揚げを乗せてある器をを渡してきたでありんす。


「トモエ姉ちゃんが敵さんを追いかける時嬉しそうにしてたから、楽しんでくると思ってね、お疲れ様!」


「カリンは凄い料理人になりそうでありんすね」

カリンはよく人を見ているでありんす、そして何が好みでどんな食感が好きか把握するでありんす。

最近は一目見ただけで当てるスキルを得たらしいでありんす。


「うん!僕は世界一の料理人になったご主人様やみんなに喜んでもらうんだ!」


「良い子でありんす」

カリンの頭を撫でて一口飲むと、わっちの好きな味でありんした。


「メリサは?」

「アリサは?」


「二人は良い幼な子でありんすよ、でも勝手に尻尾を触るのは駄目でありんす」


「おいちゃんに許可とた」

「とた」


「はぁ、それじゃ好きにするでありんすよ、でも一言声をかけてくれると嬉しいでありんす」

ぬしに許可を出されたら好きにさせるしかないでありんす。


「はーい」

「はーい」

二人は元気よく返事をしたでありんす。

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