親子
悪魔 魔女 吸血鬼 妖狐 竜人
私達の世界では五大禁忌とされています。
悪魔は巧みに人を操り殺人者、強盗、強姦など様々な犯罪を起こします。
魔女は逆に自らそのような行為を行い楽しみます。
吸血鬼、名前の通り人の生き血を吸い生き延びます、中にはグール、生きているのか死んでいるのか分からない状態にされます。
妖狐、何百年前は気にも止められない一族だったのですが、百年前に暴虐の魔王と呼ばれた九つの尻尾がある狐の獣人が暴れた事からその一族は皆殺しにされました。
竜人、もし現存するなら世界最強の生物でしょう、何故なら一度はこの世界を支配した種族ですから。
そして私の腕の中にいるのは、六日前産まれたばかりなのに歯が生え、丸い牙を生やした男の子。
吸血鬼の先祖返りです、先祖に吸血鬼と交わった者がいた場合に起きる現象です。
そんな事どうでもよかった、初めて無事に産まれてきた事が嬉しくて優しく抱きしめました。
この子は本能で分かっているのだろう、尖ってない歯で何度も噛んで吸ってきます、
でも乳を出す場所に誘導すると、私の顔を見て動きを止めました。
この子は分かっているのです、飲むときに私が傷つくことを。
でもこの子に乳をあげてもこの子は生きる事はできないでしょう。
吸血鬼の子供が生きる条件は吸血鬼の血と吸血鬼の乳を飲む事ですから。
ですから吸血鬼として産まれてきた赤ん坊は一か月後に必ず死にます、ですので暗黙のルールで死ぬまで母親と一緒に過ごしてもいい事になっています。
私はお腹を空かせて泣き叫ぶこの子を抱きしめながら、神に祈りました。
どうかこの子を助けてくださいと。
そして三日が経ち商業都市から帰ってきた旦那に不思議な噂を聞きました、手の施しようのない子供を治した人がいると。
それを聞いた瞬間に私の心は決まりました。
止めようとする旦那を振り切り私は商業都市に行き、その人の事を聞きまくりました。
商業都市では情報も商品となっているので、なかなか本当の情報に辿り着く事ができませやでした、しかし親切なお方のおかげで彼のいる場所が分かり、今日やっと着きました。
しかし着いた迷宮都市はとても広く、今日一日で見つけられるか分かりませんでした、何故なら今日がこの子の運命の日だからです。
とりあえずいろんな人に聞いてみると、彼の事は知っているが、どこにいるかは分からないそうです。
泣き叫ぶこの子をあやしながら迷宮都市のさらに奥に進んでいくと、誰かに呼ばれている気がしました、私は何故か疑いもせず呼ばれている場所に向かいました。
そこには少し古びた宿があり、私の心はここに彼がいると確信しました。
そして入り口を開けて、叫びました。
「ワシがゴンベエじゃよ」
奇跡が起こったと思いました。
「お願いです!この子を、この子を助けてください!」
私は泣きながらゴンベエさんにお願いしました。
「助ける事はできる、じゃがそれをするのはお主だ」
「どういう事ですか?」
「簡単じゃ、お主がその子と同じ存在になればええんじゃよ」
「それは私が吸血鬼になるという事ですか?」
「そうじゃ、どうするかはお主次第じゃよ」
私の心はもう決まっている。
「なります!この子が生きられるならどんな存在にもなりましょう!」
「良い覚悟じゃ、では妖術『蝙蝠写し』」
ゴンベエさんが私の額に右手の人差し指と中指を当てると、私の身体はとても熱くなり、息遣いが荒くなりました。
そして私の口の中に異変を感じました、異変を感じた場所触ると犬歯がとても長くなり尖っていました。
「お主はもうその子同じ存在じゃ、ほれ速く乳を飲ませるのじゃ」
「は、はい!ヴラ飲みなさい!
んっ、あっ、んっ」
服をめくりヴラを胸に近づけると、ヴラは躊躇なく噛み、血と乳を両方吸いだした。
本来なら痛いはずなのに、ヴラが吸うたびに快感を感じます、そういえば吸血鬼の吸血は痛みを感じないように快感を与えると噂がありました。
どうやら本当の事のようです。
私は快感に耐えきれなくなり座り込みました。
「ゴンベエ!」
女の人の声が聞こえたので上を向くと、ゴンベエさんが私の胸を凝視してました。
「きゃっ!」
後ろを向き見えないようにしました。
「ゴンベエ!」
「まったくレベッカはケチじゃのぅ、親子の絆を見ていただけじゃよ」
「嘘ね!ゴンベエにやけていたもの!」
「わたしもレベッカと同じ意見ね」
「僕も同じ」
「はぁ、少しぐらいええじゃろう、助けてやった駄賃代わりじゃ」
「だめよ!ゴンベエが見ていい胸は私達だけなんだから!」
「分かったわい、次からは気をつける」
どうやら三人はゴンベエさんの恋人のようだ、男の人もいけるらしい。
「よろしい!とりあえず貴女は一度乳をあげるのをやめて、部屋であげるといいわ」
赤い髪をしている女性が言ってくる。
「はい!ありがとうございます」
ヴラは聞こえたのか飲むのをやめた、服を元に戻し赤い髪の女性な付いて行き、部屋に案内された。
「私は出ていくからゆっくり赤ちゃんに乳をあげればいいわ、その後貴女もゆっくり休むこと、すごい隈よ」
赤い髪の女性は目の下を指差しながら言ってきた。
確かにここに来るまであんまり寝てなかった。
「本当にありがとうございます!」
「いいわよ、じゃあごゆっくり」
赤い髪の女性がニッコリと笑いかけながら部屋を出て行った。
私はヴラの顔を見ながら涙を流した。
「ヴラ、貴方はこれからも生きられるのよ、本当によかったわ。ほら飲みなさい」
服をめくりヴラを胸に近づける、ヴラはまた噛み血と乳を吸いだしました。
身体を快感が走り、私は喘ぎながら勢いよく吸っているヴラの頭を撫でました。
そしていつの間にか気を失ってました。
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