冒険者登録
「Aランクを簡単に倒した君には、冒険者ギルドに登録してもらい冒険者になってもらう」
顔に傷がたくさんついている強面の男がワシにそう言った。
「冒険者のぅ、冒険者になるとなんかワシに得があるのかの?」
「もちろんだ!
冒険者になれば冒険者ギルドが提携している宿を安く借りる事ができ、さらに武器を購入する時に安く買える。
あとダンジョンに入れるようになるぞ」
「ふむ、魅力的なのはだんじょんなるものに入れるくらいかのぅ。
レベッカ本当に冒険者じゃないとだんじょんに入れんのか?」
隣に座っているレベッカに疑問に思った事を聞いた。
「うううん、それは迷宮都市限定の話よ。
迷宮都市以外のダンジョンなら勝手に入れるわ」
「おい!余計な事をいうな!」
「ほう、つまりワシを騙して冒険者として登録させるつもりじゃったんじゃな」
ワシは顎に手を当て言う。
「すまん!あれ程の力を放置するわけにはいかないんだ!
最近この国いやこの大陸で次々とダンジョンが発生してな、一人でも多くの強い冒険者が必要なんだ。
ダンジョンは攻略すると核というものが出現し、その核を使いダンジョンをコントロールすることができる。
それによってスタンピードと呼ばれる魔物がダンジョンから出ることを防ぐことができる」
「つまりワシを冒険者にし、だんじょんを攻略させたいということかの?」
「そうだ。
できれば迷宮都市に行きそこにいるSSSランク級のダンジョンを攻略して欲しい!」
「ちょっとギルドマスターだからってゴンベエにそれをお願いするのはおかしいわよ!
分かったいるの?あそこはSSSランクパーティーでさえ帰ってこなかったのよ!
ゴンベエを殺す気?」
隣にいたレベッカがすごい形相で机を叩き言い放った。
「いや、君が言うことは分かる。
だが俺の見立てではゴンベエ殿だったか?
ゴンベエ殿ならきっと攻略できると思うんだ。
元SSSランク冒険者の俺が保証する」
「たしかぎるどますたぁじゃったか?
そのえすえすえすらんく級のだんじょんには強いものはおるのかの?」
「当たり前だ!
あそこには信じられないほどの魔物がいる!
俺も一度だけ入ったが、10回層。
つまり地下10階という場所には数えきれないドラゴンやサイクロプス、ゴブリンキングなど訳の分からないほど強い魔物がいた。
もちろん俺は怖くなり逃げ帰った。
そして王都にいる巫女の予言によると迷宮都市は半年後にそのダンジョンでスタンピードが起こるらしい。
君が冒険者になって迷宮都市に向かってくれれば、迷宮都市は救われるかもしれない。
あそこは俺の故郷なんた。
俺も戦うから一緒に戦ってくれないか!?」
ぎるどますたぁが頭を机に当てて懇願してくる。
「SSSランク級のダンジョンがスタンピードですって!
それはもう迷宮都市だけの問題じゃないじゃない!
この国は何故それを発表しないのよ」
「したくてもできないんだよ。
もし発表してしまったらこの国から商人がいなくなる。
商人がいなくなるということは流通が止まり、民達が困る。
そして税収が少なくなり貴族が反発してくるだろう。
そしてその状況を利用して他の国がここを攻めてくるんだ。
今はなんとか情報は他国に伝わってないが、
スタンピードが起こればそうもいかない。
今はその時の準備を国はしているってことだ。
だからゴンベエ殿がダンジョンを攻略して欲しいんだ!
攻略すれば全て解決するからな!
だから嘘をついても冒険者になってもらい、
迷宮都市に行ってもらいたかったんだ」
頭を上げたぎるどますたぁが必死の形相で言う。
「そうじゃのぅ、まあ登録ぐらいはしてやるわい。
それと迷宮都市にも行こうかのぅ」
「本当か!」
「レベッカの件もあるからのぅ」
「私?」
「そうじゃ、レベッカを強くすると言ったじゃろ。
ならばそのえすえすえすだんじょんなんて丁度いい場所じゃな」
「えーとゴンベエ、私Cランク冒険者だからそのダンジョンに入れないわ」
「ぎるどますたぁ殿、迷宮都市というんじゃ、下位のだんじょんもあるんじゃろ?」
「そりゃ迷宮都市だからな!
Dランク級からSSSランク級のダンジョンがあるぜ!」
「それじゃあ問題ないのぅ。
ぎるどますたぁ殿登録をお願いするかの」
「おう!今登録証を持ってくるから待ってろ!」
ぎるどますたぁは部屋を急いで出ていった。
「ゴンベエ、迷宮都市に行くのかしら?」
「リリスすまんが行くことになるじゃろ」
「まあいいけど、ゴンベエ守ってくれるのよね?」
「当たり前じゃろ、先程言ったが指一本触れさせんよ」
「ゴンベエ」
そう言ってリリスが抱きついてきた。
左にリリスがいて右にレベッカがいる、レベッカはすごい目つきでワシらを見るがそれ以上してこなかった。
どうやらレベッカは見守ることにしたようだ。
「これに血を垂らしてくれ!」
部屋に戻ってきたぎるどますたぁに、前にレベッカが見せてくれたギルド証と同じ物を差し出された。
指をかじり血をギルド証に垂らす。
白かったギルド証は赤く染まりやがて錆びた鉄のような色に変わった。
「おかしい!この色はFランク冒険者と同じ力しかないと現している!
俺の見立てではSランク以上なはずなんだか?」
「あーぎるどますたぁ殿もしかしてそのギルド証は魔力に反応するのかの?」
思い当たりがあったので聞いてみた。
「そりゃそうだろ!魔力に反応しない魔道具なんて存在しないからな!」
「あーぎるどますたぁ殿、ワシには魔力がないんじゃよ」
「は?」
ワシは詰所での話をした。
「なるほど、よく分からんがそういうことなんだな。
とりあえずゴンベエ殿はこの街でランクを上げてから迷宮都市に行ってもらわないと行けないな。
それでいいか?」
「構わん、この街には用事がのこっておるからのぅ」
「なるべく贔屓にはするから簡単にランクは上げられるから安心してくれ」
「ギルドマスターすぐに上げられないの?」
レベッカがそう言う。
「すまんな、それは規則でできない。
それをしてしまえば大変なことになるからな。
ゴンベエ簡単な依頼ばかりになるがすまんな」
ぎるどますたぁは頭を下げた。
「先程言ったように構わんよ。
すたんぴいどと呼ばれるものは半年後なのじゃろ、まだまだ日にちはあるからの」
「恩に着る」
ぎるどますたぁとの話が終わり、部屋出て二階にあったぎるどますたぁ室から一階に下りていく。
「兄貴!お話があります!」
懲らしめた男が両手を後ろに組み、頭を下げて言った。
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