レベッカ

「レベッカ」


「分かってるわよ!足手まといって言いたいんでしょリリス!」

みんなが私と同じCランク冒険者になったので、みんなとCランクダンジョンに来た。


先輩冒険者なので調子に乗った私が見た光景は、目を疑うほど信じられなかった。


前衛のアルスさんが高笑いしながらオークを大剣で一刀両断していて、大振りになる大剣の隙を狙ってくる魔物をクレアが弓本体や矢を使いフォローしている、そのクレアをリリスが放つ黒いオーラが守っているようだ。

そしてその戦闘音に釣られてきた魔物達をリリスが黒いオーラで戦闘不能にしていく。


そして討ち漏らしているのをフィーさんが討伐している。


私の出番はない。


それを見かねたリリスに名前を呼ばれたので少しイラつきながら答える。


「違うわよ!なんか変な物出たから呼んだのよ」


「え?そうなら早く言ってよ!それは宝箱、中には珍しい物が入っているのよ」

ダンジョンで魔物を倒すと極たまに宝箱が出る、そこには不思議な力を持つ武器や防具、装飾品などがでる。

Cランク以上になるとその力は強力。


「開けても平気?」


「大丈夫じゃよ」


「ゴンベエが言うなら大丈夫ね、えーと首飾りかしら?」

宝箱を開けると、大きい青い宝石とその周りに白い宝石がついた首飾りが出てきた。


「ゴンベエこれは何?」


「それは特に効果はない首飾りじゃ、ただの高級な首飾りじゃ」


「ふーんじゃあゴンベエ預かっといてくれるかしら」


「よいぞ」

ゴンベエは首飾りを受け取り次元袋に入れた。


「じゃあ先に進みましょう」

リリスは堂々と進みだした。


私は理解していたはずなのに、私がCランク冒険者なのはアイテムボックスというスキルがあるから。

戦闘能力はDランク冒険者よりも弱い事。


ゴンベエから防具や剣を貰って強くなった気になっていた、フィーさんと稽古してみんなより一歩先にいると勘違いしていた。


違うんだ、リリスもクレアもアルサさんも私と違い戦闘の才能あるんだ。

置いていかれる。

また独りぼっちになっちゃう、あの時みたいに。


「レベッカ」


「ゴンベエ?」

ゴンベエが私の頭に右手を置いてきた。


「レベッカ、大丈夫じゃよ。お主は誰よりも強くなる才能がある、ワシを信じてくれんか?」


「分かってるわよ、ゴンベエを信じているから!でも今私が足手まといなのは本当でしょ?怖いのよ、また置き去りにされるのが!」

あの時ゴンベエが来なかったら私はレッドドラゴンに殺されていた。

もしみんなに愛想が尽かされてあの時みたいになったら怖い。

ゴンベエも本当はもう愛想尽きているかもしれない。

怖い、怖い、怖い。助ける事ができない自分が。


「大丈夫、大丈夫だ。

だからレベッカ泣くな、ワシはおなごが泣くのは見たくない」

いつの間にか私は泣いていたらしい、それをゴンベエは隠すように抱きしめてくれた。

そして私は意識を失った。




「スケさんレベッカは大丈夫か?」


「大丈夫じゃよ、レベッカは強い子じゃからのぅ、じゃが少し刺激が強かったらしい。

ワシの失敗じゃな」


「嘘をつくな、こうなる事も計算ずくなんだろう?」


「内緒じゃ、あとはレベッカ次第じゃのぅ」


「スケさんがアレをする為にこんな真似したのならさすがに俺も怒るぞ?」


「怒って構わんよ、レベッカの願いと思いを叶える為ならワシは喜んで悪人になろう」

ワシの首に剣を寸止めするフィーライヌに言う。


「はぁ、スケさんはずるいな、それを言われてしまうと何もできん」

剣を引き腰に差してある鞘に収める。


「すまんなフィーライヌ、あとレベッカを心配してくれてありがとうの」

心配してくれているフィーライヌにお礼を言う。


「ゴンベエわたし達も心配しているわよ!」


「そうですね、レベッカさんは仲間ですからね」

いつの間にか近くに来ていたリリスとクレアに言われる。


「皆今日は帰ろうかの、レベッカは眠ってしまったからのぅ」


「そうね、別にダンジョンに来た日に制覇する理由も無いしね」


「そうですね、たまには早く帰って買い物行くのもいいですね」


「俺様はもう少しダンジョンにいたいんだが?」

少し不満そうにアルサ殿が言う。


「アルサ」


「はいご主人様!問題ないです!」

リリスに敬礼しながら答える。


「よろしい、じゃあ帰るわよ」

ワシはレベッカを横抱きにして皆ととってある宿に帰った。





私は気がつき目を開けると宿の部屋にいた、

きっと気を失って私をゴンベエが運んでくれたんだね。

少し昔の夢を見ていた気がする。


「はぁ、また迷惑かけちゃったな。なんでいつもこうなんだろ、みんなの役に立ちたいのにいつも足手まとい。本当にアイテムボックスしか能のない私」

私は壁に立てかけてあるゴンベエから貰った剣を見る。


そしてあの会話を思い出す。


【その剣には不思議な力があるんじゃが、

どうやらレベッカは発動できないようじゃな」


「ゴンベエどうすれば発動できるの?」


「方法はあるんじゃが、

今はおすすめはせん」 】


もちろん私はその方法を教えられているし、別に強くなる以外にアレをしたいと思っている。

でも少し怖いから。


でも、、、、。




「レベッカ良いのか?」


「うん」

ワシの部屋に来てレベッカは服を脱ぎ、美しい裸体を露わにした。


「本当はもっと早くゴンベエに捧げたかったのよ、でも少し怖くて。

でもゴンベエが今日きっかけをくれたんでしょ?」


「それを決めるのはレベッカじゃ」


「ゴンベエはずるいね、でも許してあげる。待たせた私も悪いからね」

そう言ってワシに抱きつき接吻をしてくれた。


「ゴンベエ、お願い優しくしてね」


「善処するわい」

美しい裸体を見せたレベッカに無理難題を言われるが、多分無理だろう。


「ちょっ!」

ワシはレベッカに覆い被さる。


レベッカとワシは夜が明けるまで起きていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る