次の日

「ねぇーレベッカ?」


「何よ?」


「ふふふふ、もういいのよね?」


「何の話よ?」


「ふーん、独占する気なのね?」


「な、何の話よ」


「昨日はすごい声出していたわね」


「な、な、何の話よ!」


「ふーん。ここの宿の壁が薄いの知っていたかしら?」


「え?」


「流石のわたしも興奮しちゃったわ」


「リ、リリス!」

顔を真っ赤にして立ちあがる。


「レベッカは可愛いわね、でもこれからはわたしも遠慮しないからね?」


「それはだめよ!」


「なんでよ!」


「そ、それはなんでもよ!」


「はぁ、あと少しだけ待ってあげるわよ、気持ちは分からなくはないからね」


「ごめんなさい」


「いいわよ、あと少しだけゴンベエを独占させてあげるわ」


「うん、ありがとうリリス」


「よしよし」

少しだけ落ち込むレベッカをリリスが撫でる。


「皆もすまんのぅ、レベッカに少しだけ付き合って欲しい」


「分かってるわよ、初めてを捧げた男がすぐに他の女を抱くなんて嫌だものね」


「そうですね、わたくしも初めてを捧げた後にすぐに他の女を抱かれるのは少し嫌ですから、と言っても本当の私の身体は、、」


「クレア!貴女の身体は綺麗なのよ!

わたしと違って、、」


「リ・リ・ス?」

ニコリと笑っているが目が笑ってないレベッカがリリスに言う。


「あっ?」


「クレアも手伝ってね?」


「そうですね、手伝います」


「ちょっとやめてよ!

ごめんごめんって!というかクレアにもお仕置きしなさいよ!

いやっやめてー!

もう怒ったわ!

クレアだけでも道連れよ!」

リリスは黒い気を出してその黒い気がクレアの胸を揉み出した。


「いいですよ!好きに揉みなさい!

ですがリリスの脇腹をを擽る手は緩めません!」


「な、なんでよ!ゴンベエ助けて!

笑い死んじゃう!」


「ズズズ、そんな事で死なんから安心せい」

ワシは湯呑みに注いだ茶を飲みながら言う。


「僕は別に気にしないからすぐに抱いて欲しいけど、特別に待ってあげるよ」


「俺はどうでもいいから抱いて欲しいけどな、早く強くなりたいから」


「私は金さえ貰えれば何でもしますよ!」

アルミール殿とフィーライヌ、アルサ殿が言った。


「わ、私は命令されれば何でもします!」


「さ、サクラも何でもする!」


「ローニャと桜はあと五年ほど経ったら言ってくれると嬉しいのぅ」

健気な二人を撫でながら言う。


「ご主人様子供扱いはやめて下さい!私はもう成人しています!」


「さ、サクラも多分しているはず!」

この世界は地域で違うが大体15歳で成人の認められる。

ローニャは成人しているが、桜はあと一年といった所。


「あと三年たったら女性扱いしてやろうかのぅ」

少し拗ねている二人に言う。


「あんた達、食堂で話す話じゃないでしょ、あと夜は少し自重してくれないと困るわ、あの日影響された人達が多くて掃除が大変なのよ」

見兼ねたこの宿の店主が注意してきた。


「すまんのぅ店主、お詫びにこれをやろう」


「随分と立派な髪飾りね、まあこれで許してあげるわよ」


「ありがたい、その首飾りをつけたらさらに店主は綺麗になるじゃろ」


「あら口が上手いのね」


「ワシは嘘は言わんよ」


「口説かれているのかしら?」

少し赤らめた頬に手を当てて店主は言う。


「どうじゃろうのぅ」

ニヤリと笑いながらワシは答えた。


「ちょっとゴンベエ!油断も隙もないわね!

店主さん気にしないでいいわ、ゴンベエは女なら誰でも褒めるから!」


「それは偏見じゃのぅ、ワシは美しい女性にしか言わんよ」


「ゴンベエはその範囲が広すぎるのよ」


「ということは私は口説かれていたのね、この歳になって久しぶりだわ」

店主さんはさらに頬を赤らめた。

やはりこの世界のおなごは、男でいうところの壮と同じ年代になると、おなごとして見られないらしい。

ワシは当然おなごとして普通に見れるが。


「レベッカ、男が女を口説くのは世界の摂理よ、いい女なら黙って見守りなさい」


「でもリリス!なんか嫌なんだもん」


「もんって何よもんって、だから子供扱いされるのよ。はぁ、ローニャ達が真似するからしっかりしてよね」


「はーい、でもゴンベエはこのままの私で良いって言ってたから、多分変わらないかも」


「ゴンベエはレベッカに甘すぎるのよ」


「ワシは皆に甘いつもりだがのぅ」


「はぁ、じゃあわたしがレベッカをどうにかするわよ。レベッカ、今夜はわたしと話し合いよ」


「えーと今夜もゴンベエといたいんだけど」


「盛ってるんじゃないわよ!」


「盛ってなんかないわよ!昨日の今日なのよ!少しはひたらせてよ!」


「だめよ!さっき店主も言ってたでしょ自重してって!今日は諦めなさい」


「そ、そんなぁ」

レベッカは落ち込み机に項垂れていた。


「そうだ!」

レベッカは何か思いついたように立ち上がった。


「どうしたのよレベッカ?」


「ふふふふふ、内緒よ内緒」


「どうでもいいが次は誰なんだ?」

フィーライヌが聞いてきた。


「それはわたしに決まっているじゃない、出会った順番的に」


「すまんのぅリリスは次の次じゃ」


「え!じゃあ次は誰なのよ!」


「秘密じゃ」


「ゴンベエまだ女を隠しているのかしら?」


「じゃから秘密じゃよ」

リリスが聞いてくるが流石にあの者を紹介するのは理に反する。


「まあいいわどうせレベッカの独占欲がなくなるまでお預けだしね」


「ごめんねリリス、それにみんな」


「もうそのくだりはいいわよ、でも今夜は話し合いだからね」


「分かったわよ、でも話し合いの前にゴンベエに会いに行ってもいいでしょ?」


「それは構わないけど、何企んでいるの?」


「ふふふ、内緒よ」


「リリー、多分幻界でするつもりですよ」

クレアがあっさりとレベッカの考えを読んだ。


「ああなるほど、確かにあそこなら時間なんて関係ないものね」


「えーと何のことかな?」

レベッカが目を泳がせながら誤魔化そうとしている。


「ゴンベエ、だめよ!朝みたいに気絶していたら話し合いなんてできないんだから!」


「それは、起きるまで幻界にいれば、、、」


「はぁ、レベッカ。

それはずるいわよ、レベッカの気持ちにわたし達は付き合っているのよ。あんたも少しは我慢しなさい。

ローニャ達がそういうところ真似したら困るのよ」


「はい。今日はレベッカとお話し合いします」


「よろしい」


「わたくしも参加しますね」


「僕も参加しようかな」


「俺も感想を聞きたいから行こう」

クレアとアルミール殿とフィーライヌは話し合いに参加するようだ、フィーライヌだけは目的が違うが。


「私は別に興味ないので部屋で寝ますね」

アルサ殿は興味なさそうに昼食を食べている。


「私はフィーライヌ様のように感想を聞きたいので参加します!」

ローニャは積極的なので、ワシとの行為の感想をレベッカに聞きたいようだ。


「さ、サクラはやめておきます、ご迷惑になりますので」


「サクラも来ていいわよ、迷惑なんてその歳で考えなくていいのよ。もっとわたし達に甘えなさい」

リリスは桜を後ろから抱きしめて言う。


「リリスお母さん、うんなるべく甘えるようにする」


「素直でよろしい」

子供といるときのリリスの目は誰よりも優しい。


「さて今日は休みにしようかのぅ、皆は好きに過ごすといいぞ」


「権兵衛はどうするんだ?」


「面白い事を思いついてのぅ、先にそちらを済ませておこうと思うんじゃ」


「ふーん僕も付いていってもいい?」


「悪いが今回は遠慮してくれるとありがたい」


「じゃあ目的だけ教えてよ」


「簡単じゃよ、喧嘩を売りに行くだけじゃ」



ワシはこの日Aランクダンジョンまで制覇し、Sランク冒険者になった。

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