帰還

「ゴンベエ様お帰りなさいませ、そちらの男性はお客様でしょうか?」

宿に戻るとメイド服と呼ばれる服を着ているおなごに聞かれる。


「いやこの男はお主と同じようにワシに恩を返すために使えるじゃと」


「そうですか、ではそのように扱いますね」


「初めまして、我はオロチと申します。これかよろしくお願いします」

オロチは胸に手を当てお辞儀をする。


「私はミラと申します、私もゴンベエ様に恩を受けた者でございます」


「そうですか、では協力してマイマスターに恩を返しましょう!」


「はい、ではこれからよろしくお願いします」

ミラさんはお辞儀をして答えた。


いろいろと考えた結果ミラさんはワシのもとに留まることにした、一番の理由はヴラをいかに人殺しにしないかだそうだ。


ミラさんもそれなりの年齢だったので、ヴラがここに残れば人を襲わないことを理解した、もし人なんて襲えば彼女に嫌われるからだ。


ヴラは自分が吸血鬼である事を彼女に伝え、彼女もそれを受け入れた、後は二人の問題なので見守る事にした。

ちなみにミラさんとヴラは毎朝ワシの血を吸っている。


大蛇はミラさんにワシの事を聞きたいらしいので、二人で話し合いだした。

ワシは暇になったので女将に頼み食堂で昼間から酒を飲みだし、皆の事を考える。


レベッカは順調にワシの力に適応し、才能が開花し始めている。だがまだ彼女の本質は解放されないだろう。


リリンとリリスはさらに同化率が上がり、色気と厄運が上がった、そろそろ厄運にも変化があるだろう。


クレアは胸以外完全にエルフと呼ばれる存在と同じ体格に変わった、クレアの精霊も力を増し本来の姿に戻った。今のところ精霊はワシとクレア以外見えない、レベッカだけは気配だけ感じているようだ。


アルミはワシの力と相性が悪いのでなかなか力が開花しない、それに聖剣はどうやらワシが嫌いらしいので何度もワシの力を排除しようとしている、じゃが本人であるアルミがそれをよしとしないので力はアルミの中で循環している。


フィーヌは逆にワシと相性が良いので強さの序列がアルミと同じぐらいになった。

さらに髪がだんだんと黒くなるたびに魔力ともワシの力とも違う力に目覚め出している。

フィーヌの聖剣はワシの事が好きらしい。


ローニャは呪術をリリスから習いだし、どんどんと実力を伸ばしている。


カリンはワシのあげた包丁を使い技術を上げている、今ではこの宿の料理長と同等になっている。


メリサとアリサは珍しい属性に目覚めた。


桜は普通の子と同じくらいに回復し、ファルシーと騎士ごっこするのにはまっている。


ファルシーは桜の遊びとリリスの護衛を任せてある、ワシの命令は絶対なので素直に従う。

少しの変化は最近ワシを凝視した後、真っ赤になり気を失う。

どうやらリリスにいろいろ教えられているようだ。


エリナーデは一人の人間として初めて触れ合う人や物に感動して、毎日楽しく過ごしている。


巴殿はアルサ殿の時より金に執着し、金儲けをしている。アルサ殿の時より色気を増した巴殿は次々と商談を成功させ、今やワシより金持ちだ。


「ただいま!」

Sランクダンジョンに潜っていたレベッカ達が帰ってきた。

Sランク以上のダンジョンは、勝手に入れるので冒険者ギルドに寄ることなく帰って来れるので早く帰宅できる。

もちろん自己責任。


「あっゴンベエもう戻ってきたんだ!散歩してたんだよね?なんか面白い事あった?」


「あったぞ、初めて体に傷を負ったわい」

左手で酒を飲み答える。


「え!我が主に傷を負わせるとは万死に値します!誰にやられたのですか?」


「あの者じゃ」

ミラと話してる大蛇を指指す。


「ほう、あの者が!許さんぞ!」


「ファルシー戦闘は許さん、分かったな」


「承知しました。しかし文句を言ってきます!」

ファルシーが大蛇のいるところに向かった。


「ゴンベエ大丈夫?」


「大丈夫じゃ、今のところワシ以外ではあの者が一番強いからのぅ」

レベッカに聞かれたので、言い合いをしている二人を見て言う。


「そういえば知ってる!SSSランク級のダンジョンが制覇されたっぽいんだよ!」


「それワシじゃな」


「え?」


「この迷宮都市でやる事も無くなったのでのぅ、さくっと制覇してきたんじゃ」


「だから言ったでしょレベッカ、今日ゴンベエがとんでもないことするって」


「僕もなんとなく権兵衛じゃないかと思ったよ」


「俺も思った、この都市にスケさん以上の強者はいないからな」


「わたくしもそう思います」

ダンジョンに行っていたレベッカ以外のリリス、アルミ、フィーヌ、クレアが言う。


「ゴンベエもしかして制覇した後、冒険者ギルドに行ってないなんてないよね?」


「今日はちと疲れたから明日行く予定じゃな」

大蛇と戦闘で精神的に疲れたので明日にしようと考えていた。


「ゴンベエ今すぐ冒険者ギルドに行って!きっと冒険者ギルドはパニック状態だよ!」


「明日じゃだめかのぅ、もうまったりする感じになっておるんじゃが?」

習慣になったクレアに注がれた酒を飲むと、宿にの入り口にある扉が勢いよく開いた。


「この中にゴンベエと呼ばれる冒険者がいるはずだ!今すぐ冒険者ギルドに来てもらいたい!」

そう叫んだ次の瞬間二人が動いた。


「我が主を呼び捨てにするなど死にたいのですか?」

「マイマスターを貴様如きが呼び捨てにするとは消滅したいのですね?」

ファルシーは剣を、大蛇は尖った爪を叫んだ者に突きつけた。


「よせ」


「「はっ!」」

どうやら少し気が立って動いたようだ。


「すまんのワシの従者がちと暴走したようじゃ、ワシがゴンベエじゃよ。

できれば冒険者ギルドに行くのは明日にして欲しいじゃが、制覇した日に呼び出すのはちと無作法ではないかのぅ?」


「ゴンベエ」


「「あ゛」」

二人が同時に睨んだ。


「ゴンベエ殿を呼んでいるのは、この都市の最高権力者のギルドマスターなのです!

来てもらないと私が、、、、」

縋るような目でワシを見てくる。


「はぁ、分かったぞい、皆はゆっくり休むといいぞ。

ファルシーと大蛇は皆の護衛を頼む、よいな?」

付いてきそうな二人に釘を刺す。


「「はっ!」」

二人は素直に返事をした。


「僕は付いて行くからね、この中で唯一権力を持っているんだから!何かあった時に権兵衛が力を使わせないように」


「お主もそれでよいか?」


「ああ、俺に下された命令はあんたじゃなくてゴンベエ殿を冒険者ギルドに連れて行く事だからな!」


「では皆行ってくる」


「みんな権兵衛の事は僕に任せてよ!」

ワシを呼びにきた男の馬車に乗り冒険者ギルドに向かった。


おそらくあれが欲しいのだろう。

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