概要
クリスマスが近付くころ。竹野内小夜は〈冬の魔女〉こと沖元月華の噂を聞く。彼氏と同じゼミに所属する女の子に、そのときは危機感を覚えなかった。
ひとつの恋がきっかけで動き出す、六人の群像劇。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!美しく円満に纏まらない恋情の美味。ずしりと読み応えのある群像劇。
歪に絡み合う感情、都合良く纏まることのない想いの行方。
美しく円満に纏まらない物語の美味を味わせてくれる、大変読み応えのある群像劇です。
六人の大学生それぞれの持つ個性と、彼らなりの真剣な葛藤の末に選択していくもの、その先に待っているもの。予想をしない彼らの選択や行動に、「え、いや待って、どうして!」と読み手はじりじりと焦燥を抱かずにいられません。それでも、人間の心というのは、きっとそうスムーズに正解など見出せない。ハッピーな展開ってそう簡単なもんじゃないと、物語は読者にそんな言葉を叩きつけてくるようです。
甘さばかりではない恋情のままならなさ、不快感、後味の悪さ。人を愛したいという強烈な欲…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「リアル」だけじゃない。心に響くドラマ。
第1章を読み終わった時点で、このレビューを書いています。
とても面白い物語ですが、
何故わたしが面白いと思っているかは自分自身でもハッキリわかっていません。
それでも自分の言葉でレビューは書きたいなと思いました。
そう思わせるだけの不思議なチカラがある物語です。
それで、あんまりに下手くそなレビューにならないように。
と他の方のレビューをすこし読ませていただきましたが、
「リアルな」という言葉を使用しているレビューが多かったように思います。
たしかにリアルだなと思う人物像や状況はたくさんありました。
そして、同じカクヨムの書き手としては、リアルだと思わせる物語を描くチカラがあるのは羨ま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「群像劇」で語られる「大人の恋愛事情」を語った「本格的」な恋愛小説!
「群像劇」なんですよ。これ、私じゃ絶対かけない「プロット管理」が死ぬほど大変な「群像劇」。もう、それだけですごいのに、キャラの「行動」とかが読んでて「混乱」してないんですよ。男女6人ですよ?そんなの普通は書けないんです。
そして、さらに信じられないのが「恋愛模様」がそこに絡むんです。私も登場人物の心境変化を「プロット」や「フラグ」で管理する方なんですが、ここまではできないなというのが、この物語を読んだ正直な感想でした。
って、全然「読み手」を考えたレビューになってなくて、ごめんなさい。物語としては、クリスマス前におきた「とある事件」をキッカケに、男女6人の感情に「色々」な変化をもた…続きを読む - ★★★ Excellent!!!好きと言う気持ちがもたらす沼で足掻く若者たちの姿
誰かに惹かれる心。それは理屈で考えられるような物では無い。
好きと言う気持ちに忠実に生きられない時もある。
振り回され、己の醜い部分と向き合う羽目になる。
群像劇形式のこちらの作品。
クリスマス前の男女六人に起こった出来事が、それぞれの章で角度を変えて語られていきます。
同じように愛に焦がれながらも、立場を変えれば見え方も関り方も変わってくる。
そんな彼らの心情を丁寧に描き上げることによって、恋とは愛とは、なんと不確かな感情の集合体なのかが浮き彫りにされていきます。
確かな筆力で描きだされる世界は、切なくも美しいです。
ガラス細工のように繊細で危なっかしい彼らの姿…続きを読む - ★★★ Excellent!!!リアルな大学生の青春☆ 群像劇で語られる真実……!
大学生活。
法律上は成人でも、子供と大人の移り変わりの多感な時期です。
男女入り交じるキャンパスライフで、それぞれの思いを胸に、大学生活を謳歌します。
そして恋愛は、その充実した生活を鮮やかに彩る大切な要素。
そんな大学での青春生活をどこまでもリアルに追究した、秀逸な作品だと思います。
恋仲とは、どこまでも複雑で、理論では説明できないもの。
ときに、何で言動をとるのか、不可解なことも。
ある視点からは、読者は、女性をフッた男性に怒りを覚えますが、視点が変わると、共感してしまったり……。
そんな、ある恋愛劇を群像劇という形で様々な角度から切り取った、リアルな青春ドラマです! - ★★★ Excellent!!!様々な視点で一筋縄ではいかない恋を描く、ほろ苦群像劇
大学生の竹野内小夜は、彼氏持ちのリア充。悩みもありますけど、それなりに楽しいキャンパスライフを送っていました。しかし……。
本作は彼氏彼女のほのぼのとした日常を描く恋愛小説ではありません。
仲良しカップルっていいなーなんて思いながら読み進めていましたけど、第4話で衝撃展開が訪れました。
何もかもトントン拍子にいく恋愛なんてない。恋に障害はつきものなんて言いますけど、本作でも気持ちのすれ違いや横恋慕など、数々の障害が起き、恋路の邪魔をしてきます。
恋することの苦しさ、切なさが濃厚に書かれていて苦味が強いですけど決して深いになることはなく、頑張って恋を成就させてと、読んでて必死で応援していまし…続きを読む