様々な視点で一筋縄ではいかない恋を描く、ほろ苦群像劇

大学生の竹野内小夜は、彼氏持ちのリア充。悩みもありますけど、それなりに楽しいキャンパスライフを送っていました。しかし……。
本作は彼氏彼女のほのぼのとした日常を描く恋愛小説ではありません。
仲良しカップルっていいなーなんて思いながら読み進めていましたけど、第4話で衝撃展開が訪れました。

何もかもトントン拍子にいく恋愛なんてない。恋に障害はつきものなんて言いますけど、本作でも気持ちのすれ違いや横恋慕など、数々の障害が起き、恋路の邪魔をしてきます。
恋することの苦しさ、切なさが濃厚に書かれていて苦味が強いですけど決して深いになることはなく、頑張って恋を成就させてと、読んでて必死で応援していました。

そして本作で面白いのは、群像劇という点。
様々な視点で物語を見ることで謎だった部分、キャラクターの意外な一面が分かってきて、一度読んだ部分でも読み返すと新たな発見があるかもしれません。

時に甘く、時に切なくほろ苦い恋はどこへ向かうのか。
読めば読むほど、話に深みが増す作品です。

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