西川笑里

何が正解で何が間違いか、その時代の渦中に身を置いている間はわからないけど、彼女らも彼らがいつかたどり着く先が幸せだといいな。 人はきっと正しさだけでは生きていけない生き物なのかもし…続きを読む

こんな人生を送ってる人、きっと日本中にたくさんいるんだろうなあ、としみじみ思いながら。
じわっと時間をかけて胸に染み入る物語です。

ゆあん様の筆致企画参加作品。 穏やかに進む語り口が心地よいです。 静かに振り返る明子の人生が店内に流れるブルーノート「サマータイム」と重なって、これはそのような作品かと思わせておき…続きを読む

女性が起こす犯罪の最初の一歩はきっとこんなことからなんでしょうね。
さらっと書いていますが、とても深い社会の闇が見え隠れします。

その一歩を踏み出す勇気、なかなか出せないことありますよね。
何かに頼らずに踏み出せた、そこから本当の人生が始まる気がします。
2人が最高の青春時代が送れますように。

ミステリーゾーンのようなオムニバス。 同じ現象を視点を変えるだけで違う物語となってゆく。 これは現代版「羅生門」 そこへアルフレッド・ヒッチコックの作品に見られる、ちょっとした仕掛…続きを読む

軽妙な文章が春らしい季節感を伴いながら展開して。楽しくなっちゃいますね。

幼い頃の何気ない思い出を大人になって振り返ると、とてつもなく悲しい人間の業が見え隠れします。みんなが知り合いである小さな村で起こった出来事であれば余計に。 背筋をつと流れるもの。 …続きを読む

悲しい桃のライバルは。
日本人ってやっぱり好きですよね。

思いもかけず、さよならさえも言えなかった、ほろ苦い思い出。
太宰治の小説がつないでくれた、１年後に起こる小さな奇跡。
なんて瑞々しい感性！　もう胸キュンです！

運や実力、体力で人生を変えてしまうことのできる男子の世界では考えられない、女子だけに存在する「生まれながらのカースト」 そのあざとい笑顔が炸裂するとき、カースト下位女子はみんな平伏…続きを読む

気がついてしまった不穏な気配と新しい恋の行方。
二つのエピソードをうまく対比させながら進む展開が秀逸です。
胸キュンしたい方、ぜひどうぞ。

ドラマのシナリオを読んでいるように、映像を頭に浮かべながら読ませていただきました。 外国の翻訳物のようなお洒落な文体に、ちょっとしたミステリーを入れたのがスパイスとなって、小粋なB…続きを読む

遥か未来の日本、首都ニュートーキョー。作者の想像する未来という船に読者は乗せられ、まだ見たことのない世界を旅するでしょう。背筋を冷たい一筋の汗が流れる感覚を伴いながら。

とにかく文章の巧さに魅かれます。
飾り過ぎず、でも精巧に組み立てられたストーリー。
10年間の2人の思いがタンポポの綿毛のように、ふわりと読者に舞い降ります。
読後感、最高です。

ほとんど二人だけの会話劇なのに、まるで二人の会話のすぐ横で自分も会話に入り込んで聞いているような錯覚に陥ります。あたかも一緒に行動を共にしてきたように。 作者の仕掛けた巧妙な罠であ…続きを読む

最後まで主人公は友だちにだまされて、逃げられて、悲しいはずなのに、でもそれが少しも嫌じゃない。つらくない。 なぜなら、それは彼女の新しい人生の始まりだもの。おめでとうと拍手したくな…続きを読む

恐怖のウイルスに侵され死滅した世界で、選ばれて生き残った人類に寄り添うように奏でる美しいＧ線上のアリア。 その音楽が向かう先は希望か絶望か。 音楽とともに舞う小さな蛍の光は、作者の…続きを読む

すごく人情溢れた物語と読み進めた最後に、とてもシュールなオチが待っているなんて、そこにたどり着くまで誰も気がつかない。この作家さん、なかなかのストーリテーラーです。今後に注目！

もうほんと、お疲れ様です。 称えるしかないですから。 他作の紹介にこれだけの情熱、時間を割いていただいたら、平身低頭、足を向けて眠れません。←どっちに向けたらいけないかまでは知りま…続きを読む

いちご牛乳をストローで飲みながら、
「好きだよ」と答える。
それはいちご牛乳なのか、あなたなのかは伏せたまま。
いいな、こんな関係。

お金持ちになった途端に突然モテ始めた！
美人の幼馴染や氷の女＝実はヲタ女やらカースト最上位のあの子やら。
俺、どうなってくの？　だ、だ、だ、誰を選べばいいのか？

どう言葉にしましょう。そして、どう言葉を紡いでも、自分の言葉が陳腐に感じてきます。 10年降り続く雪。 何が嘘で何が真実なのか。 読んだものだけがその真実に触れることができるでしょ…続きを読む

3月11日何があったのか。
私たちは決して忘れない。
鎮魂とともに。

惚れ薬を発明した彼女は、自分を永遠に愛するよう、彼にその薬を飲んでくれと頼むんです。さて、彼女は永遠の愛は惚れ薬で手に入ったのでしょうか。 かつて「一生君を愛する」と彼女に誓った男…続きを読む

キスもない恋愛や友情やなんもかもひっくるめて、どんな雪も簡単に溶かしてしまうような、王道の切ないラブストーリーでした

花言葉なんて罪なものです。
人の口には戸を立てられない、まるで昨今のSNSみたいで。

恋をする、人を愛する、そして、別れる
思うようにならない切ない恋愛を経て
心の痛みが、涙が、人をもっと優しくさせるのです
珠玉のショートショートです。

じっくり口に出して読んでみてください。
なんて味わいのある作品なんでしょうね。
こんな発想、唯一無二です。

でも、その体験はもしかしたら本当にあったことなのではと思わせる筆致の凄みに震えます

いつの間にか、他人に向けた自分の言葉が自分を傷つけていることに気がついたとき、そこに残るのは。 だが、絶望に向き合ってしまった人に、この作家の言葉はいつも優しく、温かい。そう、もう…続きを読む

もちろん最高評価以外ありません（笑）
お茶とか飲みながら読むと吹き出すので、心して読め！

なぜ女子はプールを休むのか。謎の「男の子の日」とは？
何年経っても埋まらない男女にある微妙な隙間を軽妙な文章で読ませてくれます。
最後の一言のオチが見事です！

学園祭の準備のとき、クラスメイトの自分への悪口を聞き学校を休んでしまった私の家へ、付き合いもなかった北原君が訪ねてきます。 ほとんど会話だけでなりたつ構成が見事で切なくて、今の私に…続きを読む

戦争の最中、空襲で街が滅び大勢の人間が滅びゆく様を目前にしても、その抑えられない性欲という衝動。人とは何か。その先に作者が見据えているものは、罪深き人の姿か。

2011年、春。あの震災のあと私たちが進んだかもしれないもうひとつの未来を、淡々と、しかし一文一文深く心をえぐるように綴る、この作家の渾身の作品です

素晴らしい、その一言です。 書き出しから最後のエピソードに至るまで、これほど隙のない作品が、アマチュアが集まるこのサイトで読める幸せ、出会えた幸せをカクヨムの中心で叫びたい気分です…続きを読む

暖かくなれば毎年必ず咲く、何も変わらない桜の花びらでさえも、この作家の純真な透き通るような心をフィルターにしてみれば、変わらないはずの桜の花びらもまた、違う煌めきを見せてくれる。心…続きを読む

古典落語を取り入れながら、そこを見事に越えてゆく。まるで志ん朝が語る姿が目に浮かぶようです。 他の作品といい、この作家さんはどれだけの懐を持っているの？　ぜひ長編を読んでみたいです…続きを読む

すごく短い物語なのに、よく練り込まれてそれはまるで名のある作家によって書かれた古典文学のよう。市井に埋もれているのがもったいないと思います。もっと高く羽ばたくべき珠玉の逸品です。

主人公がカブに出逢って世界が変わったように、私もこの作品に出逢ってしましました。 異世界も勇者も出てきませんが、主人公が少しずつ違う世界へ足を踏み出し、自分の住む世界を広げ、そして…続きを読む

ある日電車で見かけた、かつての「自分」 ハイヒールで戦いの最中（さなか）にいる彼女に、ベビーカーを揺らしながらそっとエールを送った作者の心の風景を、さらりと文章で描いてみせます。 …続きを読む

自分が自分であることを証明する。 考えれば考えるほど、それが意外と難しいことに気がつきます。 しかも、「自分」の存在がなくなってしまったとき、果たして自分は。 複雑に入れ替わりな…続きを読む

とても重いテーマを、ぶれることなく書き上げた作者の力量に感服です。 ライト（安直とも言います）な作品が多いネットの中で、このような作品が生まれたことこそが、とても大事なことだと思い…続きを読む

人生の中で、本当に信頼できる人と出会うことがどれほど幸せなことか。
主人公の素敵な人生が始まる予感しかありません。
作者の視点はいつも優しい。

結婚したら子供が必ず授かるわけじゃない。 子供を望んでも授かれない夫婦もたくさんいる。 本当はそんな子供を持てない人がたくさんいる社会が現実で当たり前なのに、昔から結婚したら女は子…続きを読む