9年前の3.11後にあり得たかもしれない未来の世界。現実が舞台とはいえあくまで架空の物語であるはずなのに、どうしようもなく心が締め付けられました。現実が本当にこうなっていたかもしれないし、現実がこうならなかったのは多くの人の努力と犠牲の上に成り立っているということを再認識させてくれるお話でした。日本に住むすべての人に読んでもらいたい一作です。
2011年、春。あの震災のあと私たちが進んだかもしれないもうひとつの未来を、淡々と、しかし一文一文深く心をえぐるように綴る、この作家の渾身の作品です