打ち合わせ
――首都パルドン 高級宿 2階 シュンたちの部屋
僕たちが部屋に戻ってきて、間もなく、キトラさんがやってきた。
「キトラさん!待っていましたよ!」
「私も用があるんだ。ちょうど良い、聞いてくれ」
キトラさんは思案顔で僕たちに指令を聞かせた。
「昨夜、君たちと別れた後、アイシャに私の部屋まで来てもらっていた。そこで王女様からの指令を受けたんだ」
「王女様は一体なんと?」
「今から5日後、アイ=レン王国軍は港町ルーに奇襲をしかける。それに呼応して、首都パルドンに火を放て、との事だ」
「特にシュン殿の召喚獣の力に期待している、との事だ。フル=フランに先に攻撃されると、ロンドが火の海になってしまう。なんとしても、竜騎兵団を飛ばさないようにする必要があるんだ」
「わかりました。アイ=レンのためです、仕方ありませんね」
5日後なら、黒の竜騎兵団が港町ルーに移っているかもしれない。そこで首都が火の海になり、更に港町ルーには奇襲が入る。
フル=フランの奴らは混乱するだろう。
港町ルーを攻め落として、アイ=レンの最強の海軍を待機させれば、そう簡単には取り返せないだろう。
「アリサ殿たちはシュン殿の手助けをしてくれ。しかし、まだ低レベルの君たちは無理をせぬように。危ないと感じたらすぐさま逃げてくれ。シュン殿もアリサ殿たちをしっかり守ってくれよ」
「わかっていますよ。アリサちゃんたちは絶対、僕が守ってみせます。そして、アイ=レンに勝利を捧げます!」
僕たちは力強く頷き、握手を交わした。
「そういえば、僕たちが話そうとしていた事、キトラさんに先に話されたようなもんです。ここに泊まっている黒の竜騎兵団は数日中に港町ルーに向かうみたいです。あとは、僕たちが考えた奇襲案は港町ルーを挟み撃ちにする案でしたが、パルドンを混乱させる方が効果高いですよね。せっかく僕たちがパルドンにいるんだから」
「なるほど。情報をありがとう。君たちの助力、誠に感謝している。パルドンを混乱させた後は、すぐさま港町ルーに戻ってくれよ。絶対に死ぬな!」
「はい!5人全員無事で戻ります。キトラさんも気をつけてください!」
「私はアイシャと共に君たちとは別口で動くが、大丈夫。事を起こせば、君たちにすぐに追いつくよ」
こうして、僕たちが首都パルドンで行うことが決まった。決行日は5日後だ。その間にパルドンで情報収集をしておかなければ。
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