安らぎの時

――首都パルドン 高級宿 2階 シュンたちの部屋


キトラさんへの提案は後日にすることにして、僕たちは疲れた体を癒すために早めに寝る事にした。


「アリサちゃんたちも疲れてるだろうから、もう寝なよ。この宿なら何かある心配もなさそうだし」


「はーい!おにーさんはうちらと一緒に寝る?うちはいいよ!」


シーナちゃんが蠱惑的な提案をしてきたが、僕の答えはNOだ。


「ベッドは四人で二つとも使っていいよ。僕はソファで寝るからさ」


僕がそう提案すると、アリサちゃんたちはその提案を断ってきたが、僕は無理やり言い分を通した。


「四人で寝るには狭いし、僕と一緒に寝る、なんてのはもってのほかだから。大丈夫。このソファもふかふかで気持ちいいしなんとかなるよ。外套を持ってきてるから掛けられるものもあるし」


「そう、ですか。なんだか悪い気がしますが……。シュンさんがそう言うならあたしたちからはもう何も言いません。ベッド使わせてもらいますね」


メイムちゃんが丁寧にお辞儀をしてきた。


僕は「気を遣わなくてもいいよ」と言って、ソファへ横になった。


疲れがたまっていた僕らは横になると、すぐに意識が深い眠りに落ちていった。

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